インプラント治療中
治療途中、歯は抜けたまま過ごすのですか?
治療途中、歯は抜けたまま過ごすのですか?
インプラントする場所や状況によってはまちまちですが、前歯など目立つ場所は、手術日すぐに仮の歯を入れます。
(1)前歯にインプラントする場合
ほとんどの場合、その日のうちに仮の歯をつけて帰宅して頂きます。
その為、「前歯が抜けた状態のまま帰るのは恥ずかしい」ということはなりませんのでご安心ください。
ただし、インプラント治療期間中の仮の前歯の機能はあくまでも見た目の回復だけですので、そこで硬い物などをしっかり咬んでしまうと取れてしまうことがあります。
(もし、仮の歯が取れてしまってもすぐに付け直すことは出来ますので、大丈夫です。)
(2)奥歯にインプラントをする場合
基本的に奥歯は、咬む力がかかる場所ですので、手術後すぐには仮の歯を入れることはできません。
特に、手術の時に傷口を縫った糸が完全に取れるまで(抜糸が完了するまで)の術後2~4週間の期間は歯ぐき(粘膜)がとてもデリケートな状態ですのでなるべく負担をかけないようにします。
ただし、どうしてもそこ以外に咬場所が無くて困るという方の場合には、術後早ければ1~2週間で仮の歯(入れ歯)を入れて頂くこともありますが、傷口に負担をかけたくありませんので「硬い物でも何でもしっかり咬める仮の歯」を入れることはやはり難しいです。
奥歯にインプラントをした場合には、範囲が3本以上の時に仮の歯を入れるとなると大半の場合は、入れ歯になります。入れ歯は、構造上手術した傷口をおおう形になりますのでどうしても汚れが溜まりやすくなり傷口の回復に不可欠な唾液も流れにくくなってしまいます。
歯ぐき(粘膜)の回復のことだけを考えれば仮の歯はいれないのが理想です。
そのため、「今までそこに歯がない状態に慣れていて、仮の歯は入れなくても気にならない」という方には、仮の歯はあえていれずに歯ぐき(粘膜)の回復を待つことはよくあります。
もし、奥歯に仮の歯(入れ歯)をいれる場合には、食事や外出など必要な時以外はなるべく外して清潔に保つことをお勧めしています。
インプラントの治療期間はどのくらいですか?
インプラントの治療期間はどのくらいですか?
インプラント治療は、インプラント体が骨としっかりくっつく必要があるため、ある程度の期間が必要となります。
…(6ヶ月~12ヶ月)
項目別に詳しく分けていくと、
まずカウンセリングから始まり、レントゲン検査の後治療期間を立てていく期間 …(約1ヶ月)
インプラントを骨に植立してから、しっかりくっつくまでの期間…(3~6ヶ月)
かぶせ物の型取りからかぶせ物装着までの期間 …(約1ヶ月)
カウンセリングからかぶせ物装着まで状態によって異なりますが、合計すると6~8ヶ月ぐらいかかります。
歯が残っている所に植立する場合はその歯を抜いてインプラントを入れるため抜いてから骨と歯茎の状態が落ち着くまで3ヶ月待つ必要があります。
その為、来院から完成まで8~12ヶ月くらいです。
また、インプラントを植立するにあたって骨のボリュームがかなり足りない場合は骨を足す手術がインプラント手術前に別で必要になるためさらに半年近くかかることもあります。
植立してすぐに冠を入れる方法を推奨している医院も時にみかけますがより高い成功率を目指している為、丸子歯科ではその方法は今のところ取り入れてません。
インプラントの手術時間はどのくらいですか?
インプラントの手術時間はどのくらいですか?
インプラントの手術時間はあごの骨の中に人工歯根を埋める手術が必要です。
一本のインプラントを埋め込む手術時間は、15~20分ぐらいです。
しかし、手術の前には麻酔・クリーニング・消毒をし、手術後には傷口縫い、出血がおさまるのを待つためチェアーに座っている時間はだいたい1時間から1時間半くらいです。
また、多くの数のインプラントを埋め込む場合や骨を足す手術が必要な場合は2時間ぐらいかかる場合もあります。
上あごの骨の量が大幅に足りない場合は、口腔外科にて骨を足すための別の手術がインプラントを埋め込む前に必要になることがあります。
この場合は1~2日間の入院が必要になってきます。
普通に診療台で手術して大丈夫なの?
普通に診療台で手術して大丈夫なの?
あごの骨に穴をあける手術が必要なインプラントは感染対策が治療の成否を大きくにぎります。
そう聞くと、普通の診療台で大丈夫かと心配になるかもしれません。
結論から述べると、感染対策を十分していれば普通の診療台で手術をしても問題はありません。これには根拠もあります。
90年代後半にニューヨーク大学の歯科医師らにより一般の診療台でも手術室との比較でインプラントの成功率は変わらないとする論文が出ています。
丸子歯科では木曜日を手術とし、一般の治療を行わず診療室をインプラント治療に専念できるような体制に整えています。
また、インプラント治療に限らず当医院では様々な感染対策を行っています。
中でも器具の滅菌には注意をはらっています。
歯科で使われている滅菌器の中でも、滅菌レベルがクラスBという最高クラスの最新式滅菌器を使用しています。
この機械は専用の精製水を使い138度の温度で滅菌消毒をすることでウィルスレベルの小さい病原体の消毒も可能にしています。
いつも皆さんのお口の中を診させてもらっているミラーやピンセットなどはもちろんのこと、インプラントを埋入する際に使用する金属製の器具も滅菌することができます。
また、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2014年5月18日に読売新聞で「歯を削る機器使い回し」と言う記事が記載されていました。
内容は、7割の歯科医院ではタービン(歯を削る機械)を滅菌せずに簡単な消毒のみで使い回しをしているという内容でした。
当医院では、タービンを滅菌する機械を完備し、10年前から実践してきました。
一度使ったタービンは水でしっかり洗った後、専用の機械を使いタービンの内部の汚れを高圧のオイルで洗浄していきます。
その後に滅菌器を使い滅菌しています。この工程を毎回繰り返しているため、常に清潔な器具で安心して治療をうけていただけます。
丸子歯科では様々な道具まで皆さんのお口の中に入る器具は一人一人滅菌済みのものを使用し、コップやエプロンなどは使い捨ての物を採用ししっかりとした感染対策を取り組んでいます。
インプラント治療も専用の手術室はありませんが一般治療と同様に安心して治療をうけていただけます。
インプラントは何本位埋めるのですか?
インプラントは何本位埋めるのですか?
技術的には上に14本、下に14本合計28本入れることができますが、状態によっては本数を相談します。
通常、大人の歯は、親知らずを除いて上が14本、下が14本、計28本あります。
全ての歯を失ったとしてその部分に28本インプラントを入れることは技術的には可能です。
以前は、歯がなくなった所になくなった本数分だけ入れることをすすめる時期もありましたが最近の学会の考えでは、例えば下顎に歯が1本もなくても、4~8本ぐらいのインプラントで対応が可能と考えられています。
つまり、必ずしも「埋め込んだ1本のインプラントの上に1本の人工歯」という構造をとらなくても例えば「2本のインプラントの上に3~4本の人工歯を立てる」という構造でも大丈夫な場合があります。
これは、天然歯の「ブリッジ」の様に歯と歯の間に「橋渡し」をして、歯の無い所でも咬める様にするようなものです。
例1:右下の臼歯4本がなくなってしまった場合
大人の場合は、例えば右下ですと親知らずを除いて
右下前歯 3本
右下小臼歯 2本
右下大臼歯 2本 計7本。その中で臼歯は全部で4本あります。
↓
4本ある右下の臼歯を前から順に④ ⑤ ⑥ ⑦と番号をつけていきます。
一番奥の歯が⑦になります。
↓
この場合、右下④ ⑤ ⑥ ⑦の歯がありませんが、インプラントを埋め込むのは④と⑥の2箇所だけで、人工歯は④ ⑤ ⑥に入れる構造をとることがよくあります。
一番奥の歯(⑦)にもインプラントを埋めることはできますが、⑦はなくても④⑤⑥があればほぼしっかり咬むことができるため、入れなくても大丈夫な場合が多いです。
つまり、右下の奥歯4本がなくなってしまっても2本のインプラントを埋めれば十分に咬める状態になることはよくあります。
この様に、インプラントは建物における土台と同じで、構造上安定感がとれる本数を入れれば良いので、歯を失った部分全てにインプラントを埋める必要はありません。
例2:㊤㊦共に1本も歯が残っていない、総入れ歯の患者さん
この方は、上の入れ歯は安定しているが、下の入れ歯がどうしても動きやすく硬いものが十分に食べられない状態でした。
この様な場合、 下の入れ歯を支えるためのインプラントを埋めることがあります。
(下の写真参照)
下顎の骨に2~3本インプラントを埋め込んで、
そのインプラントをアンカーにして下の入れ歯を安定させるのです。
(支えとなるインプラントに入れ歯がはまる様に入れ歯をつくることで入れ歯を動きづらくします。)
この方法でインプラントをされた患者さんは、
「入れ歯が安定したので硬い物でもなんでも食べれる様になった」
「いろいろな食べ物が食べられる様になったから体重が10キロも増えた」と、喜ばれていました。
インプラントは、本数が多くなるほど費用もかかりますので、少ない本数でも安定して咬めるなら無理にたくさん埋める必要はありません。
その人の骨の状態や咬み合わせの状態、お口の大きさ、入れるインプラントの太さ、長さなどによっても本数は変わっていきます。
インプラントを何本埋めるのがより良いかは、実際にお口の中を診させていただき、レントゲンや模型による診査・診断をした上で相談させて頂きます。
インプラントで「骨を増やす手術」とは何ですか?
インプラントで「骨を増やす手術」とは何ですか?
インプラント手術をするのに骨の厚みや高さが足りない時、
自分の骨や人工の骨などを使って骨を増やす「骨造成」が必要となります。
特に前歯部や上の歯の奥歯にインプラントをする場合、骨の厚みや高さが足りず骨造成が必要になることが多いです。
この場合、骨ができてくるのを待つ必要がある為手術が2回になることがあります。
上の奥歯で骨の量がかなり少なく、多くの骨の移植が必要な場合にはトヨタ記念病院や愛知医大などの口腔外科で骨を増やす手術をやって頂くこともあります。
例えば、上の奥歯を抜いた所にインプラントを行えた場合骨の高さが不足することが多いです。
そこで、上顎の骨の上にある「上顎洞」という空洞(鼻水などが溜まる所)の粘膜を押し上げてそこに、骨を移植する手術(上顎洞底挙上術=サイナスリフト)が口腔外科では行われます。
また、上の前歯にインプラントを行う際にも骨造成が必要になることが多いです。
(およそ7割の人が必要になります)
これは、前歯部の周りの骨は元々薄い人が多いためです。
前歯部の骨の移植は、ほとんどの場合当院で行っております。
当院で骨の移植を行った場合も、口腔外科で骨の移植を行った場合にも骨の安定を待ってから、インプラントの植立手術を行いますので期間が半年を超える場合が多くなります。