インプラントは何本位埋めるのですか?

0011788 インプラントは何本位埋めるのですか?

answer 技術的には上に14本、下に14本合計28本入れることができますが、状態によっては本数を相談します。

通常、大人の歯は、親知らずを除いて上が14本、下が14本、計28本あります。
全ての歯を失ったとしてその部分に28本インプラントを入れることは技術的には可能です。

以前は、歯がなくなった所になくなった本数分だけ入れることをすすめる時期もありましたが最近の学会の考えでは、例えば下顎に歯が1本もなくても、4~8本ぐらいのインプラントで対応が可能と考えられています。

つまり、必ずしも「埋め込んだ1本のインプラントの上に1本の人工歯」という構造をとらなくても例えば「2本のインプラントの上に3~4本の人工歯を立てる」という構造でも大丈夫な場合があります。
これは、天然歯の「ブリッジ」の様に歯と歯の間に「橋渡し」をして、歯の無い所でも咬める様にするようなものです。

例1:右下の臼歯4本がなくなってしまった場合

大人の場合は、例えば右下ですと親知らずを除いて
右下前歯    3本
右下小臼歯  2本
右下大臼歯  2本  計7本。その中で臼歯は全部で4本あります。

4本ある右下の臼歯を前から順に④ ⑤ ⑥ ⑦と番号をつけていきます。
一番奥の歯が⑦になります。

この場合、右下④ ⑤ ⑥ ⑦の歯がありませんが、インプラントを埋め込むのは④と⑥の2箇所だけで、人工歯は④ ⑤ ⑥に入れる構造をとることがよくあります。

一番奥の歯(⑦)にもインプラントを埋めることはできますが、⑦はなくても④⑤⑥があればほぼしっかり咬むことができるため、入れなくても大丈夫な場合が多いです。
つまり、右下の奥歯4本がなくなってしまっても2本のインプラントを埋めれば十分に咬める状態になることはよくあります。

この様に、インプラントは建物における土台と同じで、構造上安定感がとれる本数を入れれば良いので、歯を失った部分全てにインプラントを埋める必要はありません。

例2:㊤㊦共に1本も歯が残っていない、総入れ歯の患者さん

この方は、上の入れ歯は安定しているが、下の入れ歯がどうしても動きやすく硬いものが十分に食べられない状態でした。
この様な場合、 下の入れ歯を支えるためのインプラントを埋めることがあります。
(下の写真参照)

インプラント

下顎の骨に2~3本インプラントを埋め込んで、
そのインプラントをアンカーにして下の入れ歯を安定させるのです。
(支えとなるインプラントに入れ歯がはまる様に入れ歯をつくることで入れ歯を動きづらくします。)

この方法でインプラントをされた患者さんは、
「入れ歯が安定したので硬い物でもなんでも食べれる様になった」
「いろいろな食べ物が食べられる様になったから体重が10キロも増えた」と、喜ばれていました。

インプラントは、本数が多くなるほど費用もかかりますので、少ない本数でも安定して咬めるなら無理にたくさん埋める必要はありません。
その人の骨の状態や咬み合わせの状態、お口の大きさ、入れるインプラントの太さ、長さなどによっても本数は変わっていきます。

インプラントを何本埋めるのがより良いかは、実際にお口の中を診させていただき、レントゲンや模型による診査・診断をした上で相談させて頂きます。

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