総入れ歯でもインプラントはできますか?
総入れ歯でもインプラントはできますか?
できます。主に2つの方法があります。
a.入れ歯の土台としてのインプラント
→歯茎に土台(インプラント)を2~4本埋め込んで、その上に総入れ歯をはめるもの。
(入れ歯を安定させる為のインプラント)
b.自分自身の歯としてのインプラント
→自分自身の歯として噛める様になるための一般的なインプラントですが、6本前後埋める必要があります。
【a.入れ歯の土台としてのインプラント】
上顎にも下顎にも出来る方法ですが、主に下顎の総入れ歯でよく噛める様になるために入れ歯でも安定させるためのインプラントを埋め込みます。
総入れ歯の悩みの深刻なもの(ガタガタ動いて安定しない。すぐに外れる、痛いなど)は、上よりも下の歯に多く、これらに悩みはインプラントをすることでかなり改善されるからです。
上の総入れ歯の場合には、入れ歯を作り直したり、安定剤を使うことで何とか安定することが多いですが、下の総入れ歯は安定しづらいため何とか使っている人も多くありません。
これを解決するのが下の図のようなインプラントです。
口腔内に入ると…
この様なインプラントは、一般的なインプラントと少し構造が異なります。
「インプラント本体」 を顎の骨に埋め込む所までは一般のインプラントと同じなのですが、そこに接合されるのが人工歯ではなく入れ歯とインプラント本体を繋ぐ「アタッチメント」という装置になることが異なります。
インプラント+アタッチメントが入った後には、その形にピッタリと合う金属の入れ歯(チタンの金属床)を作る必要があります。
以上の流れを、下顎に2本インプラントを骨造成(骨の移植手術)無しでしたケースとして費用と供にお伝えします。(税別)
1.CT撮影費用 2万円
↓
2.検査・診断費用(インプラント初回のみ) 3万円 3DSによる除菌、模型による術前診断など
↓
3.インプラント埋入手術 15万円×2本=30万円
↓
4.アタッチメントの装着 15万円×2本=30万円
↓
アタッチメントの費用は、一般的なインプラントのハイブリッド冠に準ずる費用ですので1本あたり15万円です。
5.金属床義歯(チタン製)作製 25万円
合計 90万円
以上の様にインプラントの形に合わせた入れ歯を新たに作る為の費用や期間が別途かかります。
以下にこの方法の利点・欠点を列挙します。
<利点>
・埋めるインプラントが本数2本でも、下顎の入れ歯を安定させることができる
・下の総入れ歯でも、食事中に外れたり、転落する心配がかねり減る
・骨移植などの骨を増やす処置が必要ないことが多い
<欠点>
・新たに、入れ歯(チタンの金属床)を作る費用や期間がかかる
・入れ歯の下にインプラントがあるため、毎日しっかりお手入れしないとインプラント周囲炎になりやすい
・天然の歯の根だけ残っている状態(残根)だと、事前に残根を抜く必要がある
【b.自分自身の歯としてのインプラント】
一本も歯がない状態の所にインプラントを埋め込んで、自分の歯と同じような歯列を作っていく方法です。
この方法ですと、その歯列には総入れ歯も部分入れ歯も必要なくなり自分自身の歯の様に噛める様になります。
人間の永久歯は、元々親知らずを除いて、上下14本ずつあります。
しかし、だからと言って例えば下顎にインプラントをする場合、天然歯列の様に14本も埋める必要はありません。
インプラント同士をブリッジの様に繋いで安定させることで、それ程多くない本数でも歯列を作ることができます。
具体的には、6~8本前後のインプラントが必要です。
費用も高額になり、約200~250万です。
期間や手間もかかりますが「総入れ歯→自分自身の歯の様に咬める」方法としてはこの様な方法があります。