0011788 インプラントはさびることはありますか?

answer 基本的にはありません。

下図の様に、インプラントは主に3つの構造に分けられます。

インプラントの構造

  • インプラント体‥骨の中に埋め込まれるインプラント本体で、金属のチタンでできています。
  • アバッドメント‥インプラント本体とかぶせ物を結びつける構造で、かぶせ物の土台となる部分です。
    インプラント体と同様チタンでできています。
  • かぶせ物‥一般的な歯にかぶせるかぶせものと同じで金属は、主に貴金属(金、銀、白金、パラジウムなど)白い歯のかぶせ物は、セラミックでできています。

インプラント治療が、他の歯科治療と材質的に異なる点は、チタン(Ti)という金属が使われている点です。
以前、様々な国でコバルトクローム、金、白金など様々な材質を素材にしたインプラントが試みられましたがどれも上手くはいきませんでした。

しかし、1950年代後半、スウェーデンのブローネマルク氏(解剖学者)が、金属のチタン(Ti)が動物の体の中にあっても拒絶反応を起こさずに骨としっかり結合することを発見しました。
その後、インプラント治療は大きく進歩し、現在では世界中のほとんどのインプラントにチタンが使われています。

チタンは、人間の体と相性が良い素材ですので人工関節など、多くの医学分野でも使われています。
物理的性質をみると、チタンは アルミニウムより1.5倍重いだけで硬さはアルミニウムの6倍あり、さらにいいことに極めて腐食しづらい(さびづらい)性質を持っています。
水の中にずっと置いておいても腐食されません。(さびません)
空気中でも600℃までは、安定な金属です。

さびづらいだけではなく、アルミニウムの様に軽く、しかもはるかに耐熱性が高く、かつ硬い材料ですので飛行速度が音速まで近づく航空機や、宇宙観測のためのロケットにも使われています。

このように、生物学的にも理工学的(物理的)にも利点の多いのがチタンであり長期間、骨の中に置かれていても身体に悪影響を及ぼすことはありません。
アレルギー反応を起こす人も非常にまれです。

※ただし、歯科医院で扱う高濃度フッ素(9000ppm以上)に長期に浸すと腐食されたという報告があり、インプラント部分に直接高濃度フッ素を塗ることはさけています。
ですが、家庭用フッ素(950ppm前後)でしたら、長期に使用しても問題ありません。

一方でインプラントの上にかぶせる物は、一般の歯科治療と同様貴金属が使われていますのでさびる心配はありません。

インプラントQ&Qに戻る