インプラント周囲炎と歯周病の違いを教えて下さい
インプラント周囲炎と歯周病の違いを教えて下さい
インプラント周囲炎は、歯周病とよく似た病気です。
どちらも歯周病菌の感染を原因として起こり、歯ぐきや顎の骨に炎症を起こしその結果、放置すればインプラントや歯が抜けてしまう病気です。
天然歯と顎の骨は、歯根膜と呼ばれる組織により結ばれています。
歯根膜には、歯周病の原因である細菌の侵入を防ぐバリアの役割があります。
それに対しインプラントは顎の骨と直接結合し、歯根膜は存在しません。
そのため、細菌の侵入を防ぐバリアが無く、病気の進行が早まってしまいます。
以下、項目別に両者の違いを列挙します。
歯周病 | インプラント周囲炎 | |
炎症 | 初期から腫れてムズムズすることが多い (喫煙者の場合は必ずしもそうならない) |
初めは弱く、自覚症状に乏しい場合もあるが、 一度進行すると歯周病よりも強く起こる |
出血 | 歯ブラシがあたったり、 歯ぐきのゆるみの検査をすると出血する。 |
かなり重度になるまで出血しないことがある |
骨吸収が起こった時 | ゆっくり進む | 急速に進行する |
痛み | 歯ぐきや骨が破壊されると 歯や歯の周りが痛む |
インプラントそのものには神経が無い為 痛みは感じないが骨が破壊されて 咬みあわせが悪くなると痛むこともある |
動揺(揺れ) | 進行に合わせて歯が少しずつ ガタガタ動くようになる |
進行し始めていても末期にならないと あまり動かないため 自覚症状がないまま進行してしまことがある |
以下のように、歯周病もインプラント周囲炎も同じような疾患ですが、インプラント周囲炎は歯周病と比べると
(1)感染しやすく、進行の速さは歯周病の10~20倍
(2)進行しても見た目の炎症が弱く、天然歯の様にグラグラしない
(3)痛みも感じず、自覚症状に乏しい
ですので、インプラントを入れた場合には、ご家庭での丁寧な歯磨きや歯科医院での定期的な専門のケアを受けることが大切です。