インプラント治療前に虫歯の治療を済ませておいた方が良いですか?
インプラント治療前に虫歯の治療を済ませておいた方がいいですか?
はい、是非済ませておいてください。
「虫歯がたくさんあるのだが、そういう人でもインプラントができるのかな?」と迷っておられる方は意外と多いです。
そこで、ここでは虫歯の大きさ別に、インプラントとの関連で説明していきます。
(1)かなり大きい虫歯(C4)
1.そのままの状態で置いておく
2.抜く
という二通りの方法があります。
ただし、その部分にインプラントを希望される場合には、
その歯を抜いてからでないとインプラントはできません。
抜いた後、3ヶ月程骨の回復を待ってインプラントを行うことができます。
(※歯を抜いた直後にインプラントを行う方法もありますが、
その方法ですと成功率が10~20%低下するという報告あり、当院では採用していません。)
また、インプラントをする部分でなくても、かなり大きな虫歯をそのままおいて置きますと
そこに食べカスなどが溜まり細菌が繁殖しやすくなってしまいますので
できれば抜くことをオススメします。
(2)少し大きな虫歯(C3)
少し大きな虫歯は、歯の根の治療が必要になりますので治療期間がかかってしまいます。
歯の根の治療を含めた、少し大きな虫歯の治療の流れは以下の通りです。
1.歯の根の中の掃除、消毒(状況により1回~5回かかります。)
2.歯の根の中に硬い薬をしっかりとつめる
3.歯の土台の型を採る
4.歯の土台を入れる
5.歯のかぶせ物の型を採る
6.歯のかぶせ物を入れる
お口の中に少し大きな虫歯(C3)がある場合には、できれば上記の2.の段階まで進めてからインプラントをするとお口の中をキレイに保て、インプラントの感染のリスクが減ります。
また、咬み合わせの関係から他の歯にしっかり冠を入れて咬み合わせを確保してからインプラントを行った方が良い場合もあります。
この場合は、上記6.まで終わらせてからインプラントをします。
(3)中くらいの虫歯(C2)
中くらいの虫歯も、インプラント前に治療をした方が良い場合が多いです。
虫歯の治療をすることで、お口の中の細菌を減少させインプラントをより安全に行えるためです。
(4)小さな虫歯(C1~C2)
小さな虫歯に関しては、急いで削らない方が良いことも多いです。
治療が必要と思われる虫歯でも小さなものならインプラントと同時進行で治していくこともできます。
以上、虫歯治療とインプラントの関係を述べてきましたが、「虫歯の治療を完全に終えてからでないとインプラントはできない」
という杓子定規なものではありません。
基本的な考えは、
インプラントも虫歯治療も同時進行でできることもありますので、一番効率の良い治療計画を立てることです。
ただ、リスクの高い虫歯、特にインプラントをする部分の近くにある歯の膿がたまっている虫歯はその膿を取る治療(=歯の根の治療)をしてからでないとインプラントに影響することがありますので相談の上、先にしっかりと虫歯の治療をやっていくこともあります。