インプラントと免疫力
インプラントをすることで身体の免疫力が上がります。
でも、インプラントと免疫力がどう繋がるのか、不思議に思われる方も多いと思いますが私がインプラントを10年以上やってきて、これを確信するようになりました。
身体の免疫力向上
インプラントを入れた後に、顔色の色ツヤが良くなり、今まで痩せていた人が5㎏くらい体重が増えることもザラにあります。
その理由は色々ありますが、主なものを4つ挙げてみます。
(1)食べられるものの種類(品目)が増える
もちろん、入れ歯や歯が無い状態でも多くの物を食べることができますがどうしても食べづらい物もあります。
例えば、ごぼうや人参、蓮根などの硬い根菜類、硬いスジや繊維質の入ったアスパラガスやネギなぞのは茎菜類などは、健康な自分の歯やインプラントでならしっかり食べれますが入れ歯や歯がない状態では、なかなかししっかりとは食べることができません。
また、胡麻や苺などの「細かく硬い粒のある食品」も入れ歯ですと、「入れ歯と歯ぐきの間のはさまって痛くて食べられない」と言われる方もかなりおられます。
実は、「入れ歯や歯がない状態では、食べづらいが自分の歯やインプラントではしっかり咬める物」の大半は栄養素が豊富な野菜なのです。
ご存知の通り、野菜は抗体化作用のあるビタミンやミネラルも多く含みます。
体内で過剰に発生した活性酸素を除去して身体を守ります。
特に、繊維質の豊富な根菜類や茎菜類は腸の活動を活発にし、近年増加傾向にある大腸癌の予防にも役立ちます。
厚生労働省は、ご存知の通り一日350gの野菜摂取を進めています。
食事は毎日のことですから「インプラントを入れることで食べられる物の種類(品目)が増える」
⇒「免疫力が上がる」ということがお分かり頂けると思います。
(2)大きな食材を無理なく食べることができるようになる
「入れ歯の時には、お肉でもジャガイモでも小さく切ってから食べていたが、インプラントを入れてからはリンゴでも丸かじり出来る様になった!
入れ歯の時にはリンゴもすりおろしていたのだが…」と言われる患者さんもおられました。
食べる食材の大きさが免疫力とどう関係するのでしょうか?
実は、これが大きく関係するのです。
例えば、全く同じ食品を摂っていてもしっかり咀嚼するか咬まずに丸のみするかで身体の反応は違ってきます。
これから、それを示すラットの実験をご紹介します。
<ラットでの実験>
4週齢時から
a.粉末状のエサのみ与えるラットたち
b.固形状態エサのみ与えるラットたち に分けて飼育。
栄養状態など、他の条件は全て同じです。
この2条件を比較するためにずっと飼育したところ初めのうちは、a.のラットたちもb.ラットたちも違いはなかったが、30週・40週と飼育していくうちにa.とb.に明らかな違いが出てきました。
a.のラットでは、いつも食後の血糖値がずっと高い状態が続く身体のなったのに対しb.のラットでは、いつも食後の血糖値が安定する体質が維持されました。
この実験から得られた結論は
「しっかり咀嚼する食生活を続けることが、安定した血糖値を維持できる身体を作りあげる」
というものです。
つまり、入れ歯では食べづらかったりんごの丸かじりなど、インプラントを入れることで大きな食材も積極的に撮れるようになる
↓
しっかり咀嚼する食生活
↓
安定した血糖値を維持できる身体になっていく
↓ ↓
免疫力の向上 ← 糖尿病の予防、進行抑制
↓ ↑
歯周病の予防、進行抑制
(3)咬む刺激が全身に伝わる
入れ歯とインプラントとの違いは、咬む刺激が直接顎に伝わるかどうかです。
インプラントは、単に咬めるという役割を果たしているだけではなく、毎日の「咬む状態」を身体中に伝えているという役割りも果たします。
最近は、「健康寿命」という言葉が使われます。
寝たきりや認知症になることなく、身体も心も健やかにその人らしい生活を送ることのできる期間のことです。
多くのデータが示唆することによると同じ年齢で比較した場合、残念ながら寝たきりや認知症になる人の割合は入れ歯や歯がない人の方が圧倒的に高いことが分かっています。
このことから、インプラントは免疫力の向上に寄与するだけではなく結果的には、健康寿命を伸ばす役割も果たすといえます。
(4)好きな物を美味しく食べられるようになる
「入れ歯の時には、食事がストレスだったが
インプラントを入れてからは何でもおいしく食べれて幸せ」
「インプラントを入れたので10年ぶりの家族と一緒に
焼肉が食べれて嬉しかった。息子もとても喜んでくれた。」
という患者さんからの感想を聞くたびに本当に歯科医師という職業をやっていて良かったと私自身も幸せな気持ちになります。
毎日の食事で美味しく幸せに食べられること、つまり幸せや笑いは免疫力を向上させることは説明するまでもありませんね。
さらには、インプラントをしてから、人との会話を避けていた人が積極的のなったり人と旅行に行くことをやめていた人が気軽に出かけられるようになったりという感想もよく頂きます。
これは、インプラントをすることでお口の中が快適になり、物がよく咬めるようになったり、口元が若返ることで普段の生活の質もより良くなることを表しています。
こうして、患者さんの人生を幸せにするサポートができることを私達は何より嬉しく思います。