身元特定に重要な役割~警察歯科医って?~
事件や災害などに巻き込まれてしまい、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。
亡くなってしまった後に身元不明となる場合も多くあります。
その時に、歯が身元確認の役に立つって知っていましたか?
今回は身元確認に重要な歯・警察歯科医についてお話しします。
警察歯科医って何?
警察歯科医は、身元が分からないご遺体などがある場合に、警察署から依頼を受けてご遺体のお口の中の状態と生前の歯科治療を受けたカルテやレントゲンなどを照らし合わせて、身元を確認します。
現在では、年間2000件以上の歯牙鑑定が依頼されるほど、身元確認に大きな役割を果たしています。
警察歯科医にはどうやってなるの?
警察歯科医になることができるのは、国家資格である歯科医師免許をもった歯科医師のみです。
歯科医が定期的に行われる専門的な研修を受けて警察歯科医になります。
警察歯科医が見るのは歯だけではありません。警察歯科医は研修会などで警察官などと一緒に法医学などを学んで、身元の確認に役立てます。
身元確認はどのように行うの?
遺体の損傷が激しいと顔などが分からないことも多いです。
身元の分からないご遺体の身元判定にはまず、顔を確認します。そして、身体的特徴、指紋、歯、DNA鑑定の順に行われます。
どうして歯が身元確認に役立つの?
歯は人間の体の中で一番硬い組織です。
そのため、遺体の損傷が激しくても残っている可能性が高いです。
また、生前に歯科治療を受けたことのある人であれば、カルテやレントゲン写真が残っている場合が多く、ほかの鑑定法より比較的短時間で照合作業を進めることができます。
ご遺体の歯からどのようなことがわかるの?
治療の痕跡や、歯の有無などから生前のカルテを照らし合わせ、身元確認の手助けとなります。
また、歯や顎の大きさで男女を推測することができ、歯のすり減り方や、歯の劣化状態で年齢が推測できます。
かかりつけ医の重要性
普段からかかりつけ医で定期検診などを行っていると、今までの治療記録がしっかりと残りますので、身元不明となった場合の鑑定の制度を上げることが出来ます。
定期的に歯科医院へ行くことでお口の健康を保つこともできますし、自分のお口の中の記録を残すことにもつながります。