答えは、20歳~85才くらいまでの方が可能です。
理由
(1)20歳まではインプラントをしない理由
学会レベルの根拠としては、1996年にスウェーデンで開かれた「若年者に対するインプラントのコンセンサス会議」にて、「インプラントは、顎骨の成長に対応しないことから、生物学的に成長を終えた後を適応年齢とする」と、結論づけられました。
例えば、下の顎は成長期には下前方に少しずつ伸びて発育しますが、下顎の骨に埋まっている歯も顎の成長に合わせて位置を少しずつ変えながら成長していきます。
ところがインプラントではそれが起こらないため、初め(成長途中)に植えた位置と成長後の位置が大きくズレてしまいます。
ですから、成長発育にある年齢では、インプラントを行いません。
生物学的には、人の成長発育は、男性18歳 女性16歳でほぼ完了するとも言われていますが、中には18才で身長が数㎝伸びる例もあり、ほとんどの人が成長発育を完了すると思われる20歳からのインプラントをお勧めしています。
(2)インプラント出来る年齢の上限は85歳くらいまでという理由
(1)の「年齢の下限は20歳まで」という見解は、ほとんどの歯科医の間で一致した限界ですが、上限に関しては、意見の分かれるところです。
学会レベルでは、「身体が健康であれば、年齢の上限はない」という見解ですが、現実的な問題としては、当院ではおおよそ85歳くらいを上限としています。
理由として
- 85歳を超えてインプラントをした実例が世界的にみて少ない事。
- 手術後の回復がしづらい場合がある。
・やや感染しやすくなる。
・細胞や血管の働きが弱くなり、傷の治りが不十分になることがある。 - 体力的に、長時間の手術に耐えづらいことがある。
- 糖尿病、心疾患、高血圧、骨粗鬆症など、基礎疾患を持つ確率が高くなる。ただ、年齢の上限に関しては、患者さんが「健康である」という前提が必要です。
健康な方であれば当院では70代以上の方で約11名のインプラントの実績があります。
アンチエイジングの観点から、当院では70代以上の方にも(健康であれば)、ご希望された方には積極的にインプラントを行っており、全く問題なく長時間保っていただいています。