インプラントをする場合、抜けた本数だけ歯を入れなくてはなりませんか?
インプラントをする場合、抜けた本数だけ歯を入れなくてはなりませんか?
必ずしもそうではありません。以下、下の奥歯を例に解説します。
通常、大人の歯は親知らずを除いて左右に7本ずつ歯があります。
歯には番号がそれぞれつけられており、中央の前歯から奥歯へと順番に1.2.3.4.5.6.7と呼びます。
(1)左下7番が無い場合
1番奥の歯1本だけない場合には、インプラントを入れるとしたら1本ですが、そこに歯が無くても現実には不自由を感じない方が多いため、インプラントを入れるケースは少ないです。
また、7番の歯の部位は力を受け易く、インプラントを入れた後にも日頃から十分にお手入れをしないとインプラント周囲炎になり易いと言われています。
(2)左下6番と7番が無い場合
インプラントを入れるとしたら1本か2本ですが、1本入れるだけで咀嚼効果が十分に上がるので、1本だけ入れるケースがあります。
(3)左下5番、6番、7番が無い場合
多くの場合、埋め込むインプラントの本数は2本ですが、まれに1本にする場合もあります。
(どんな場合に1本だけ入れるか?)
- 患者さんの希望(予算など)
- 歯列の大きさや咬み合わせなどで、1本入れただけでも十分な咀嚼効率の回復が見込まれる場合
- 下顎骨の幅、高さ、密度などから、1本だけ入れるのが妥当と思われる場合
(4)左下4番、5番、6番、7番が無い場合
天然の歯ですと4本が無い状態ですが、だからと言って4本のインプラントを入れることは殆んどありません。
多くの場合は2本か3本のインプラントの埋め込みで、上部の冠は3本分( 下図(d) )で、かなり咀嚼効率は回復します。