知って得する歯の知識
知って得する歯の知識
日常診察をしていて、皆さんから質問されることやよくご説明している項目をこのページに集めてみました。
皆さんのお困りのことがひょっとするとこのページにあるかもしれません。
また、新聞などマスコミで取り上げられる最新の情報も取り上げますのでちょっと知っていても得する知識になるかもしれません。
興味のありそうなところがありましたら、是非ご一読して下さい。
4.妊娠・出産で歯が弱くなる!?生まれてくる赤ちゃんのために出来る事
14.歯周病にタバコが及ぼす影響~まだタバコを吸いますか?~
20.Tooth Fairy(歯の妖精)~Tooth Fairyプロジェクトについて
54.唾液の緩衝能って知っている?
上顎洞炎とは
「走ったりジャンプしたりすると振動で上の奥歯が痛みます」という理由で歯医者さんに行っても歯にはなにも異常がないことがあります。
このような場合は大体の場合が、上顎洞炎という副鼻腔炎の炎症が原因のことが多いです。
鼻の周りには鼻腔と通じている空洞がいくつかあり、上顎洞(鼻の両脇)、前頭洞(おでこ)、篩骨洞、蝶形骨洞に分けられます。
上顎洞炎って…?
副鼻腔に慢性的な炎症があるものを慢性副鼻腔炎と言います。
蓄膿症と言うと分かりやすいかと思います。
上顎洞炎は、副鼻腔のうち上顎洞に炎症が起こっている状態を言います。
症状としては鼻がつまる、鼻水が喉の方に流れやすい、
黄色い粘り気のある鼻水が出るなどです。実はこれは歯と大きく関係しているのです。
上顎洞は上の奥歯のすぐ上からあるので、人によっては奥歯の根元が元々上顎洞に突出している事があります。上の奥歯に虫歯や歯周病があり、根元の炎症が起きると、根元の細菌が上顎洞にまで侵入してしまい、上顎洞炎になってしまうことがあります。
このように歯が原因で起こる上顎洞炎のことを「歯性上顎洞炎」と言い、歯科医院での治療が必要となります。
個人差はありますが、奥歯の特に第一大臼歯が原因になることが多いです。
通常の蓄膿症の場合は両方の鼻に症状が現れますが、歯が原因で起きた上顎洞炎は、原因の歯がある側だけの症状が多く、急性の場合は、歯の痛み、頬の痛み、臭いのある鼻水が出たりします。
上顎洞炎のうち、歯が原因の「歯性上顎洞炎」は全体の10~30%を占めています。
急性の場合は、洗浄や抗生物質を投与し、消炎させます。
慢性の場合は、感染源の除去が必要ですので、根っこの治療、歯周病の治療で改善できないようであれば残念ながら抜歯となります。
抜歯を行うと抜歯したところと上顎洞が繋がりますので、その穴から何度か洗浄を行います。
抜歯後の穴が小さい場合は自然に塞がります。
しかし大きい場合は、いつまで経っても自然に塞がらず、飲み物を飲んだ時に鼻から流れてきてしまいますので、穴を塞ぐ処置が必要になります。
歯性上顎洞炎は、歯科医院の検査でほぼ分かります。
歯とは関係ないような病気も歯が原因となっていることがあります。
体全体の健康管理はもちろんのこと、口の中の管理にも気を配るようにしましょう。
歯の応急処置
転んだり、スポーツをしていて怪我をしたなど・・・
急に起きてしまった事故時の歯の応急処置についてお話します。
歯の事故の種類
1.歯が折れた、欠けた(歯の破折)
2.歯がぐらぐらしたり抜けてしまった(歯の脱臼)
3.歯が骨の中にめり込んでしまった(歯の埋入)
4.歯が脱落して失ってしまった(喪失)
その中でも、歯が折れてしまった、抜けてしまった、歯が口の中から出てしまったなどの場合には歯科医院に行くまでに気をつけなければいけない事があります。
抜けた歯は、早急に正しい処置を行う事で元に戻る可能性があります。
歯の根っこの表面には、歯根膜という組織があります。
歯が抜けてしまった場合、この歯根膜の状態を壊さないようにして、できる限り保つようにして歯科医院へ持っていく必要があります。
この歯根膜の状態によって治療がうまくいくかが左右されるのです。
どうすればいいの?
具体的にどのようにするかというと、まず抜けてしまった歯を探します。
歯が見つかったら、歯に付着した汚れを落とします。肝心なのはここです。
生理食塩水や水道水の流水下で洗います。洗う時間は数十秒程度にしましょう。
30秒以上洗ってしまうと、歯の大切な組織まで洗い流してしまうことになります。
そして洗う時には、歯の根っこの部分は決して持ってはいけません。
不用意に触ってしまうと、細菌に感染する原因となります。
抜けてしまった歯は、乾燥に弱いです。
歯が乾かないようにする為に自分の口の中(頬と歯茎の間))に入れ保存するか、牛乳をいれた清潔な容器に入れるなどして乾かないように注意します。
子供の場合は、飲みこんでしまう可能性があるので、自分の口の中ではなく親の口の中に歯を保存する方法でも大丈夫です。
そして30分以内に歯科医院に行きましょう。
2時間以上経過してしまうと歯根膜が死んでしまいます。そうなると治療が成功しにくくなります。
歯科医院に行ったら、
「いつ、どこで、どのような状況で歯が抜けてしまったのか、又は折れてしまったのか」を話しましょう。早急な処置と、すぐに歯科医院に行くことで、事故から30分~1時間くらいの間に治療を始めることができれば、抜けた歯は元に戻せる可能性が高いでしょう。
非常事態ですが、慌てることなく適切な知識を持って冷静に行動することが大切になります。
もしもの為に正しい知識をぜひ、頭に入れておいて下さい。
お口の中の菌は赤ちゃんに移る?
赤ちゃんは生まれてきたときには、お口の中には虫歯菌はいません。つまり無菌状態なのです。
しかし、歯が生えてきてお子さんが大きくなって気付いたら虫歯になっていた。
なんてことはありませんか?
3歳児の約40%は虫歯になっている!?
生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯が無いのになぜこのようなことがおこるのでしょうか。
生後19~36ヶ月の間に赤ちゃんが虫歯菌に感染してしまうからです。
感染経路は主に母親、父親などの大人からです。
主な経路はこのようなものが考えられます。
◎ 食事のときのスプーン、食器などの共有
食事のときに大人が使っているスプーンで食べさせたり、同じ食器で回し食べたり、同じコップを使用することで間接的に虫歯菌を子供に移してしまいます。
◎ キスなどのスキンシップ
赤ちゃんが可愛くてついついキスをしてしまう。親の口から子供の口へと感染してしまいます。
◎ 食べ物を噛んで与える
子供に食べさせやすいように噛んでからあげる。
温度の確認をするために口で確認したりすると感染の原因になります。
もともと食べやすいように小さく切ってあげ、子供専用の食器やスプーンを使い親は口をつけないよう注意してあげましょう。
注意すること
あまり神経質になりすぎてスキンシップが減ってしまうのは良くありませんが、少し注意して生活してみて下さい。子供の世話をすることが多い親の虫歯菌が多ければそれだけ子供に感染する確率が高くなります。
頻繁にこれらの行為を行ってしまわないようにしましょう。
逆を言えば、虫歯菌が少ない親からは感染する確率が減るということです。
ですから親もお口の中を健康な状態に保つことが大切になってきます。
どんなに注意してもいつかは誰かの虫歯菌に感染してしまうかもしれませんが、まず身近な親達からの感染を防ぐ事が、虫歯からお子様を守る第一歩になるでしょう。
このような状態を招かない為に、妊娠中からお口の中の菌を減らし清潔に保とうとする「マタニティ歯科」という分野で治療を行っている歯科医院もあります。
お腹に赤ちゃんがいる時や、赤ちゃんの時から気を付けていけると良いですね。
妊娠・出産で歯が弱くなる!?生まれてくる赤ちゃんのために出来る事
女性の健康、特に妊娠中の女性の健康管理は、大きな関心事です。
皆さんは、「妊婦は、おなかの赤ちゃんがたくさんカルシウムを使うので歯が弱くなる」というお婆ちゃんの知恵袋を聞いたことはありませんか?
実は、この言葉を科学的にみると一部に誤りがあります。
妊婦の歯が弱くなりやすいということは事実です。
しかし、妊娠中のお母さんの歯に取り込まれたカルシウムが、おなかの中の赤ちゃんの為に溶け出して使われることはありません。
では、なぜそのようなことが言われてきたのでしょうか?
妊婦は、赤ちゃんがカルシウムを使うから歯が弱くなる?
妊娠中のつわりがひどい方は、歯ブラシを口に入れただけでも吐き気を及ぼすことも多く、歯磨きがおろそかになりがちになります。また、妊娠による味覚、嗜好の変化により、すっぱい(酸味の強い)食べ物や甘いお菓子などを食べる頻度が増えたり、食事の回数が増えたりするなど、お口の中の衛生環境が悪化しやすい食生活になりがちです。
加えて、妊娠中は女性ホルモンの分泌が盛んになり、これらのホルモンを栄養源にしている細菌が増殖したり、唾液の分泌量も変化したりするなど、お口の中の環境が不潔な状態になりやすく、歯肉の腫れや出血がみられる場合があります。
これを「妊娠性歯肉炎」と言います。また状態をほうっておくと歯周病へと進行していきます。
ですから、先ほどのお婆ちゃんの知恵袋を正しく言うなら、「妊娠した女性は、つわりやライフスタイルの変化、ホルモン分泌の変化により、お口の中の環境バランスが崩れやすく、歯周病になりやすく歯が弱くなりやすい」ということになります。
しかし、すべての妊婦が、必ず歯肉炎になるとは限りません。
日頃のメンテナンスをしっかり行うことで、妊娠性歯肉炎は予防できるのです。
妊娠を機に検診を受けることで、自覚症状のない虫歯や歯周病も早期に発見できます。
生まれてくる赤ちゃんの為にも、お母さんのお口の中の健康の為にも定期的に、専門的な予防処置と正しい知識を身につけることが大切です。
保険診療と保険外診療
歯科医院にいくと、「保険外診療」という言葉を耳にしたことはありませんか?
今回は「保険診療」と「保険外診療」についてお話しします。
「保険診療」と「保険外診療」の違いとは…?
「保険診療」は国が定めたルールにより算定されます。国が定めた検査や治療方法で行います。
保険診療で使われる歯科材料や治療回数、治療期間まで細かく定められています。
この国のルール内で行われる治療を「保険診療」と言います。
患者さんの負担は、健康保険で定められた金額(0~3割)を一部負担金として支払います。
残りは、市町村が支払ってくれます。
「保険外診療」は、保険診療の三~数十倍の費用がかかります。
全額、患者さんの負担となります。
国で定めたルールや、制限がありませんので様々な材料や治療が行えます。
しかし、歯科治療を受けるすべての人に「保険外診療」が必要な訳ではありません。
材料や治療方法が制限されていても、その範囲内で充分な治療ができる場合もあるのです。
患者さんの状態や、症状などによっては、保険内の中では十分な治療ができない場合もあります。
広い視野で「保険内の治療」と「保険外の治療」の2つを比べ、患者さんの状態や症状を総合的に考えて治療方法を選択していく必要があります。
どのような場合が保険外診療となるのでしょうか?
歯の被せものに関しては、保険外診療で使われるものは保険内診療で使われる材料よりもワンランク上のものが使われています。
保険内で使われる材料は限られていますが、保険外のものは沢山の種類があります。
保険内でも充分な治療はできますが、保険内の治療ではカバーできない場合や金属を入れたくない。
など審美性を気にする人は保険外の治療も考えてみてもいいかもしれません。
健康保険が適応されるのは、「処置」に対してのみです。
歯並びを治す為の「矯正歯科」、歯のない所に人工の歯根を埋める「インプラント」、歯を白くする「ホワイトニング」などの見た目を改善する「審美歯科」などは保険外診療になります。
しかし、保険内の治療でもお口の中の虫歯を予防するメインテナンスは、しっかり受けられます。
・歯のクリーニング(PMTC)→機械的に歯の表面の汚れを落とす処置。
・歯石を取る(スケーリング)→歯周病の原因となる歯石を専用の器具を使用して取る。
・歯科医や歯科衛生士による口腔衛生指導→お口の中を検査して、適切なアドバイスや助言をもらう。
・フッ素塗布→虫歯になりやすい場所にフッ素を塗り、虫歯を予防する。
歯科医院に行ったら、他人任せにするのではなく、今の自分にはどのような処置が必要なのか、どのような治療の選択肢があるのかを歯科医としっかりと話し合い、二人三脚で治療を行っていって下さい。
健康な歯を保つ事ができると、美味しく食事ができ、友人、家族と楽しくおしゃべりできます。
それはきっとあなたの人生の質の向上に繋がります。
知覚過敏について
知覚過敏ってどんなことをいうの?
歯がしみるのは全て知覚過敏なのでしょうか。
では、まずどんな刺激があるのかをご紹介します。
刺激にはどのようなものがあるの?
- 温度刺激では→冷たい(温かい)食べ物や飲み物
- 器械刺激には→歯ブラシやつまようじ
- 科学的刺激には→酸性食品や甘いもの
など刺激には様々な種類のものがあります。
せっかく大好きなチョコレートを食べたいのにしみてしまう!
冷たい飲み物を飲みたくても飲めない…。
では、知覚過敏症の原因はどのようなものがあるのでしょうか?
知覚過敏の原因とは?
◎過度なブラッシング
歯磨きをする時に、歯ブラシを強くゴシゴシと行ってはいませんか?
歯の表面にあるエナメル質やセメント質が傷ついたり、削られてしまいます。
とても硬いエナメル質ですが、毎日の積み重ねでダメージを受けてしまうと削れてしまうのです。
これは知覚過敏症の原因で最も多いといわれています。
◎歯ぎしりや噛み合わせ
無意識のうちにしてしまう歯ぎしり。
強く歯をこすってしまうのでエナメル質が削れてしまったり、ひどい時には割れてしまいます。
歯ぎしりはエナメル質だけでなくお口の中全体の歯周組織まで負担をかけてしまいます。
歯の根っこの部分にあたる歯槽骨までダメージをあたえてしまうので歯周病の原因となります。
また歯周病を悪化させる原因になります。
噛み合わせが悪い場合も、適切ではない方向に力が強くかかってしまうのでエナメル質を傷つける原因になります。
他にも、歯磨き粉に含まれる研磨剤が原因だったり、ホワイトニング治療の後にしみることがあります。
歯科医院での治療法で多く選択されるのは「薬を塗る」ことです。
何らかの原因で露出してしまった象牙質を薬でコーティングする方法です。
薬を塗る治療の場合は個人差があるので一回塗って気にならなくなる場合や、数回にわたって繰り返して行わなければならない場合もあります。
それでも改善されない場合は、その部分をレジンというプラスチックの材料で埋めていく方法もあります。
しみる症状があっても必ずしも知覚過敏とは限りません。虫歯や歯周病の可能性もあります。
自己判断や放置などしないで気になる症状があったら歯科医院を受診しましょう。
デンタルフロスについて
みなさんはデンタルフロスを使ったことがありますか?
あるデータによると日本でデンタルフロスを日常的に使用している人は少ないと言われています。
しかし、歯科先進国のアメリカやスウェーデンでは歯磨きをしたあとに、デンタルフロスを使うことは当たり前となっています。
デンタルフロスって…?
デンタルフロスを使用すると、歯と歯の間の歯肉の中(縁下)3.5ミリまで届きます。
ブラッシングや歯間ブラシよりも歯肉の奥まで届くので、歯ブラシだけでは取れない汚れを取ることができます。
この2つを併用することで歯と歯の間の汚れを確実に取ることができます。
しっかりと歯と歯の間の汚れを取ることが出来ないと、歯と歯の間に虫歯ができてしまう可能性が高まります。それを隣接面カリエスといいます。
歯の間は、噛み合う面とは違い見えにくいので、気付いた時には大きな虫歯になっていたりするので恐ろしい虫歯です。
その為にも日頃からデンタルフロスなどの清掃補助用具を併用することが大切になってきます。
デンタルフロスの使い方
まず40~50センチくらいフロスを取り出します。目安としては指の先からひじくらいの長さです。
そのフロスの端を指にくるくると巻き付けます。
次に親指と人指し指を使って、指と指の間のデンタルフロスの間隔を1から1.5センチの長さになるようにしてピンと張るようにします。
準備ができたら、歯と歯の間にフロスを挿入します。
ここで気を付けないといけないことがあります。
勢いよく歯肉に入れてしまうと歯肉が傷ついてしまう可能性があります。
歯面に沿って、のこぎりを引くようにフロスをゆっくりと内外に動かしながら歯と歯が接触している部分を通過させて下さい。
フロスを挿入することができたら歯についたプラークをこすり落とすようなイメージで片方の歯に沿わせながら上の方に移動させます。これを5回程行います。
反対側の歯も同じように行っていきます。
一度使用したフロスは、指などで巻き取って、別の歯を行う時はフロスの新しい所を使うようにします。
慣れるまでは難しく感じてしまうかもしれませんが、慣れてくるとスムーズにできるようになります。
焦らないでゆっくりと鏡を見てやるのも良いでしょう。
どうしても苦手という方は歯科医師や歯科衛生士に相談してみるのも良いでしょう。
自分で正しく使う為には、根気よく練習すると良いでしょう。
またフロスに持ち手のついたタイプもありますのでそちらも使ってみて下さい。
歯ブラシの選び方
店頭で歯ブラシコーナーの前であまりの種類の多さにどれにしようか迷ったことはありませんか?
どれも魅力的なキャッチコピーがついていますよね。
正しく歯を磨くには、適切な歯ブラシを選ぶことはとても重要です。
ぜひ、あなたに合った歯ブラシを見つけましょう。
歯ブラシの硬さ
歯ブラシの硬さは、硬いほどプラークを落とす力が強いのです。
しかし、ブラッシング圧の強い方が「硬め」の歯ブラシで磨くと、歯肉を傷つけ、さらに歯まですり減らしてしまうのです。
ですから、「硬め」の歯ブラシは、磨く力の弱い、女性やお年寄りにおすすめです。
また歯周病で歯茎が腫れていたり、出血しやすい方は歯肉を傷つけにくい「柔らかめ」の歯ブラシでじっくり丁寧に磨くのにおすすめです。
その場合も症状が良くなったら、「普通」の歯ブラシを使うようにしましょう。
一般的には「普通」の硬さを選ぶのがいいですね。
歯ブラシの大きさ
歯ブラシの毛が植わっているところをヘッドといいます。
そのヘッドが小さめのものがいいでしょう。
目安としては、親指の幅程度のものがおすすめです。
歯ブラシのヘッドが大きいと、歯と歯茎の境目や、歯と歯の間の細かい箇所にきちんと歯ブラシの毛先が当たりません。
ブラッシングで大切なのは、お口の中の、プラークをきちんと落とすこと。
そのために、細かい箇所(汚れが溜まりやすいところ)に毛先をしっかりあてて、振動させて磨くには、小さめのヘッドのほうがいいでしょう。
歯ブラシの交換時期
まず歯ブラシの毛先の状態を確認しましょう。
毛が柄からはみ出していたり、広がっていたら交換時期です。
また、歯ブラシは消耗品ですので、何も問題が無いように見える歯ブラシも定期的に交換が必要です。目安は一ヶ月に1本、長くても三ヶ月に一度は取り替えましょう。
歯ブラシの毛先に弾力がなくなったものを使うと、上手く汚れを取り除けないばかりか、歯茎を傷つける可能性もあります。
それでは本来の歯ブラシの目的が果たせませんね。
また、毎日歯ブラシを使用していると、目に見えない汚れや雑菌が毛に付着します。
衛生状態も悪くなります。
毎日の歯ブラシの消毒は必要ありませんが、歯を磨いた後、流水下でよく洗い、乾燥させて保管しましょう。
8020運動とは
小学校や中学生の時に「8020運動」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
聞いたことあるけど何かは覚えていない!そんな方も多いと思います。
では、8020運動とはどんな運動のことを言うのでしょうか?
8020運動って…?
日本で行われている歯科に関する運動です。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している
「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
20本以上の歯があれば食事は満足にできると言われています。
生涯にわたって自分の歯で美味しく食事をするためにこの運動は始まりました。
ある研究データでは、70歳代の健康な高齢者の歯の平均本数が9本だったのに対して、認知症の人は平均6本、アルツハイマー型認知症の人では平均3本でした。
噛むという行為が脳を活性化させ、痴呆症を防ぐと考えられています。
認知症の症状が進むにつれてお口の中の機能は低下する減少が見られます。
咀嚼時の脳を見てみると日頃よく噛んで食事をしている人程、大脳の運動部が発達していることが認められます。つまり、認知症と咀嚼が関係していることを表しています。
生涯にわたってしっかりと噛んで食事をできる人の方が元気で健康でいられるということです。
歯の数で食べられるものは変わってくるの?
人間には、親知らずを抜かすと28本の歯が生えています。
◎18本~28本
たくあん、固いおせんべい、フランスパン、いか、たこ
噛みごたえのあるものや、固いものを食べることが出来ます。
◎6~17本
れんこん、お肉、かまぼこ、きんぴらごぼう、おせんべい
多少の歯ごたえのあるものでも食べることが出来ます。
◎0~5本
ばなな、うどん、軟ごはん、食パン
軟かく、食べやすいものが中心になり、歯ごたえがあるものは食べにくくなります。
歯の本数の違いで食べることができる食材が大きく変化しています。
年を重ねるごとに食の楽しみは大きくなっていくものです。
その為にもしっかりとケアをして歯を守ってあげることが大切になります。
虫歯や歯周病が歯を失う原因になり、歯周病の原因となるのは歯周病菌です。
歯垢が溜まってしまうことにより歯周病菌のすみかを作る原因になります。
そのようなことを防ぐためには、まず歯垢を溜めやすい生活習慣を改善していくことが重要になります。
- ダラダラと間食をしてしまったり、食べ物をよく噛まずに食べていたりしませんか?
- 日頃、たばこを吸う習慣があったり、ドカ食いをしたり、ストレスをためていませんか?
- やわらかいものばかり好んで食べていたり、歯を磨かずに寝てしまったりしていませんか?
免疫力が落ちていたりストレスがたまったりと、様々な要因が重なると、歯周病菌が活発に活動してしまいます。これらの生活習慣が当てはまる人は改善するようにしましょう。
歯を失わない為にはセルフケアが大切になりますが、歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアもかかせません。
あなたにあった歯磨きの方法やケアを教えてもらいましょう。
小さな積み重ねが8020運動を達成することに繋がります。
デンタルリンスをご存知ですか?
デンタルリンスの存在を知らない人も多いのではないでしょうか?
デンタルリンスがどんなものなのかご紹介させていただきます。
デンタルリンスって…?
デンタルリンスとは、薬用成分の働きで、むし歯や歯周病の予防をし、お口の中をさわやかにすることで口臭も予防できます。
歯磨きできないときのデンタルリンス
食事をした後はお口の中が酸性に傾き、むし歯になりやすい状態になります。
そのため、むし歯を予防するには食べたら歯磨きをすることが基本です。
しかし、仕事などで忙しい時なかなか歯磨きをする時間をとれないこともありますよね?
そんな時に役立つのが、すすぐだけで、むし歯や口臭を予防することのできる薬用の洗口液です。
ですが、洗口液だけに頼るのではなく、時間があるときはきちんと歯磨きするようにしましょう。
寝る前にもデンタルリンス
プラークの中のむし歯菌は主に就寝中に急激に増殖します。
寝ている時はだ液の分泌も少ないので、むし歯菌にとっては活動しやすい環境となります。
お口の中を長時間清潔に保つ為に、むし歯や口臭を予防してくれるデンタルリンスが有効です。
夜寝る前の使用が効果的です。
デンタルリンスには、「液体ハミガキ」と「洗口液」の2種類があります。
◇液体ハミガキ
液体ハミガキはブラッシングすることで効果を発揮します。
液体ハミガキには、一般的な歯磨き粉の中に配合されている研磨剤が含まれていないので、歯面を傷つけることなくブラッシングすることが可能です。
しかし、茶渋や、コーヒーなどの着色、タバコのヤニなどが歯の表面につきやすくなるので、その際は一般的な歯磨き粉を使うか、歯科医院でクリーニングを行うようにしましょう。
◇洗口液
洗口液は液を口に含みブクブクすすぎをします。
歯と歯ぐきの間にもしっかり有効成分が行き渡るように行います。
洗口液は口臭の防止、口の中の浄化の効果が期待できます。
細菌が増殖しやすい環境になる就寝前の使用も効果的です。
むし歯や歯周病の原因となるプラークはブラッシングやフロッシングなどをして機械的にこすらなければ落ちないので、お口のケアの補助として考えましょう。
デンタルリンスにはノンアルコールタイプのものや、子供向けのもの、天然甘味成分でむし歯の原因にならないキシリトール配合のものなどもありますので、デンタルリンスを使ってさらに効果的なオーラルケアをしてみてはいかがでしょうか。
歯を失ったら…その弊害と治療方法
歯を失う二大原因は虫歯と歯周病になります。
ついで、破折や、矯正の為の抜歯があります。一般的に奥歯から失われる傾向にあります。
また若い時期は虫歯により歯が失われる割合が高くなりますが、年を重ねるにつれ歯周病により歯が失われる割合が高くなります。
前歯など目立つ部分が抜けてしまったら、積極的に治療される方も多いと思います。
しかし、奥歯の目立たない部分であれば、そのまま放置される方もいらっしゃいます。
ましてや、痛みも無く、多少の不便は感じてもお食事が出来るなら緊急性を感じない方も多いのではないでし ょうか?
では、歯が抜けるとどのような不都合がおこるのでしょうか?
見た目が悪くなってしまう
見た目や発音が悪くなります。(前歯の場合)加えて、良く噛めなくなります。
食べ物を細かく噛み砕いて飲み込めないということ は、胃に負担をかけ、消化不良を招きます。
きちんと栄養を吸収できなければ、免疫力の低下や、その他全身のバランスの低下に繋がるのです 。
そして、失った歯をそのままにすると、次のようなことが起こります。
- 残っている歯が移動してしまいます。
これは、支えとなる歯を失うことにより、隣の歯が傾いてきます。また噛み合う歯を失った対向歯が どんどん伸びてきます。
これは、見た目が悪くなることはもちろん、噛み合わせも悪くなります。 - 虫歯や、歯周病が進行しやすくなります。
これは噛み合わせが悪くなくことにより、ブラッシングがしにくくなるからです。 - 残っている歯に負担がかかります。
今まで4本で噛んでいたものが3本になれば、残りの歯に付加がかかるのは当然ですね。
その結果、付加 のかかる歯の寿命は身短くなるでしょう。 - 下顎の位置が不安定になります。
これは咬み合わせが変わってしまうことにより、噛む位置、つまりは下顎の位置が変わります。これは顎関節症の原因にもなりますし、失った歯を回復したときに、咬み合わせが安定するまで時間がかかってしまいます。
このように、歯を失うと様々な弊害が次々に起こります。
失った歯を人工物で補う治療を「補綴(ほてつ)」と言います。
その方法には、 ブリッジ、インプラント、入れ歯(義歯)とありますが、それぞれ適応や、長所、短所がありますので歯科医師とよく相談して、治療を受けるようにしましょう。
また、どの方法であっても、『治療が終わってそれで終わり。』ではありません。
人工の歯は、虫歯になることはありませんが、汚れがつ きやすくケアを怠れば他の健康な歯や歯茎にまで悪影響が及びます。
セルフケアとともに、歯科医院での定期健診で適切なケアを受けましょう 。
歯周病が招く低体重児出産、その原因と予防方法について
全ての妊娠をした女性は健康な我が子の出産を望んでいるのではないでしょうか?
出生児の割合
低体重児出産についてインターネット辞典Wikipediaで検索してみると、1980年に5.2%だった2,500g未満出生児の割合は、
1990年に6.3%、2000年に8.6%、2009年に9.6%と増加をたどっています。
また、新生児全体の体重としても、厚生労働省が10年ごとに行う「乳幼児身体発育調査」において、戦後の経済成長とともに増加を続けていた平均出生体重が1980年をピークに減少に転じ、
2000年には戦前の1940年~1942年を下回る水準に達しています。
他の先進国で女性の体格向上に伴い出生体重も漸増を続けているのに対し、日本での傾向は特異的です。なぜ、今低体重児出産が増えているのでしょうか?
近年、問題視されている低体重児出産の原因に、喫煙・飲酒・歯周病などがあります。
なかでも重度の歯周病にかかった妊婦が低体重児出産をする確率は、健康な歯肉の母親に比べて約7倍になります。
これは、喫煙、飲酒している割合よりもかなり高い確率です。
そのなかでも歯周病と低体重児出産の関連性について調べてみました。
歯周病と低体重児出産の関係性
歯周病が低体重児出産を招く原因として、歯周病菌が炎症を起こした歯肉の血管から血中に入り込み、それが羊水内に入り胎児の成長に影響を及ぼすと言われています。
また、歯周病が早産を誘発するメカニズムは次のように考えられています。
お口の中に歯周病菌が増えると、免疫のバランスが崩れます。
すると免疫を担当する細胞から「サイトカイン」という情報伝達物質が出されます。
このサイトカインが過剰にでると炎症が起き、歯肉や歯槽骨を破壊する酵素が出やすくなり歯周病が進みます。妊婦の胎内では血中サイトカイン濃度は出産のゴーサインとみなされ、濃度が高まると妊婦の子宮収縮が始まり、十分に成長していない状態で赤ちゃんを産む
早産・低胎児出産に繋がるのです。
一方で、妊娠中はつわりによって、歯磨きが不十分だったり食事が不規則になったりしますね。
その上、胎盤で作られるホルモンが歯周病菌を増殖しやすくするため、歯周病が悪化しやすいと言われています。
低体重児出産には様々なリスクがあります。低体重児の特長として、呼吸がうまく出来なかったり、脳に障害があったり、感染に対する抵抗力が弱い、栄養を摂ることが難しい等様々です。
このリスクが新生児死亡の原因となったり、新生児の成長を妨げたりするのです。
妊娠する前から定期検診を受けて、歯周病や虫歯を治療しておくことがとても重要になってきます。
生まれてくるお子さんのためにも、歯科検診を受けましょう!
咀嚼回数と食生活の変化
食事の時にどれくらい噛んでいるのでしょうか?
自分が食事にどれくらい時間をかけているのか知っていますか?
たくさん噛むといいときくけどなぜいいか知っていますか?
そんな疑問にお答えさせていただいてます。
昔と今で咀嚼回数が違う?
人間が食事の時に噛む回数、「咀嚼回数」は、時代が進むにつれて変化してきています。
「咀嚼」とは、口に運ばれてきた食べ物を歯で細かく噛み砕くことを言います。
現代では食の欧米化も進み、食事の際に噛む回数はだいたい600回ほどで、
食事時間は約10分程度と言われています。戦前では咀嚼回数約1400回、食事時間は20分程度。
さらに時代をさかのぼると、鎌倉時代で2600回、食事時間は約30分。
弥生時代ではなんと、咀嚼回数は約4000回弱で、食事時間は約1時間にもなります。
なぜ現代と弥生時代では、こんなにも咀嚼回数が違う?
現代では、軟かくて食べやすいものが好まれる傾向にあります。
ハンバーグやパン、スパゲティー、牛丼におそば。時間がない人がすぐに食べられるものや手軽なもの。
軟かく食べやすい食べ物は、忙しい人々に多く利用されています。
弥生時代では、穀物の米、あわ、ひえ、木の実を中心とした、どんぐり、くるみなど食生活でした。
噛みごたえのあるものが中心で、どれも硬いので多くの回数噛まなければ飲み込めないものばかりでした。
食品の加工技術の向上とともに咀嚼回数は減ってきました。
そのため、現代の咀嚼回数は弥生時代に比べ大幅に減少しているのです。
咀嚼回数が減ることで様々な問題が起きます。
小さな頃から軟かいものばかり食べてしまうと、顎の骨がきちんと発達しません。
弥生時代の人と顎の骨の状態や大きさを比べると、現代の人の方が退化し小さくなっています。
小さな頃から適切に咀嚼することで顎の骨は正常に発達し、しっかりと咀嚼することで消化吸収を助けてくれます。
そして不正咬合や顎関節症なども防ぐことができます。
たくさん噛むことでなにがいいのか?
たくさん噛むことで唾液が多く出ます。その唾液にはたくさんの良い役割があります。唾液中に含まれる成分の中には、消化を助けるもの。悪い菌を退治する抗菌、殺菌作用。骨や歯の発達を促進するホルモンや、唾液中のPHを中性に保つ役割。歯の再石灰化を促してくれたりと、唾液にはたくさんの働きがあります。これらがお口の中を清潔に保ち、歯周病や虫歯を予防してくれます。
しっかりと咀嚼することがお口の中、全身の健康に繋がります。
咀嚼回数をUPさせるコツ
●よく噛んで食べる。「一口30回」を目安に。
●歯ごたえのある食材を取り入れる。
●調理の方法に一工夫。少し歯ごたえが残るくらいに。
●一口の量を少な目に。
●急がずゆっくりと食事をする。
このようにいつもの食事を少し変えてみるだけで、咀嚼回数を増やすことができます。
時間のゆっくり取れる夕飯からまず試してみてはいかがでしょうか?
歯周病にタバコが及ぼす影響~まだタバコを吸いますか?~
近年、喫煙者の肩身も狭くなり、喫煙もいたるところで制限されています。
喫煙場所が減ったことやタバコの値上げなどで喫煙率は減少していると言われています。
~~2012年「全国たばこ喫煙者率調査」(日本たばこ産業株式会社)~~
喫煙者率が減少傾向にあるものと考えております。この要因は複合的であり一概には言えませんが、高齢化の進展、喫煙と健康に関する意識の高まり、喫煙をめぐる規制の強化や、増税・定価改定等によるものと考えております。
禁煙キャンペーンとは…?
日本においても禁煙キャンペーンなどが盛んに行なわれており、タバコの害については皆さんも承知のことと思います。タバコは、百害あって一利なしと言われていますが、タバコの害と生活習慣病とは密接な関わりがあります。なかでも、歯周病の方の喫煙は、最も危険な因子のひとつと言われています。
最近のデータによると、一般にタバコを吸う人は、吸わない人に比べ、3倍も歯周病にかかりやすく、また2倍も多く歯を失っているという報告があります。また喫煙本数に比例して歯周病が重症化することも分かっています。さらに、喫煙による不快な口臭、味覚の鈍麻、
歯肉の黒色化や歯面の着色など口腔内環境を悪化させます。
喫煙者の歯周病の特徴
喫煙者の歯周病の特徴として「炎症症状が少ない」ということがあげられます。
歯周病はあまり症状が現れないままジワジワと進行することが多いのです。
その中でも「歯茎の腫れ」「ブラッシング時の出血」は比較的自分で気づきやすい症状です。
しかし、喫煙者の歯周病ではこれらの症状が現れにくいのです。
でも、これは決して歯周病が軽症だということではありません。
歯周病になると、歯茎が腫れたり、膿んだりしますが、タバコに含まれている化学物質が喫煙者の歯肉出血を減少させたり、歯肉表面を硬くすることで歯周病の症状が隠されてしまうのです。
つまり喫煙者は自覚症状がほとんどないまま歯周病はどんどん進行し、炎症症状が現れにくいために、自分で歯周病の進行に気づきにくいので歯周組織の破壊が進んでしまいます。そして重度の歯周病に進行するというわけです。
歯科医院では歯周病の進行に応じて様々な治療が行われていますが、どのような歯周治療に対しても喫煙者では治りが悪いことが報告されています。歯周病は全身の病気と密接な関わりを持っています。
歯周病になっていなくても、たばこを吸っていると歯周病へのリスクが高くなり、逆に禁煙すると歯周病へのリスクが下がりますので、歯周病を予防するためにも禁煙することをオススメします。
お口の健康も害するタバコ、この際真剣に喫煙習慣を見直して見ませんか?
治療を中断してしまうと・・・
歯科医院で治療の為に、通院していたけれど「痛みがなくなった。」や「忙しい。」などの理由で、途中で通院をやめてし まった。そんな事ありませんか?
しかし、歯の治療を途中でやめてしまうと様々な悪影響があります。
治療を中断してしまうとどのような悪影響があるのか?
歯の状態によっては一定時間をおいてから治療をした方が良い場合もありますが、一定の期間を大きく過ぎると良くありません。
治療がまだ終わって無くても、痛みが無くなってしまうと「大丈夫だろう。」と思ってしまい治療を中断してしまう方もおられます。せっかく治癒しかけている歯が、また悪い状態に戻ってしまう危険性があります。どのような悪影響がでるのでしょうか?
1.削った歯に銀歯や、さし歯をいれる予定の場合
虫歯の歯を削って銀歯をいれる時。
ブリッジを入れる、根っこの治療をしてさし歯をいれる予定があるときがあります。
その時は技工所へお願いするので、出来上がりが約2週間ほどかかる場合があります。
もし技工物が入る予定の歯をそのままにしてしまったらどうなるでしょう。
時間が長くたってしまうと銀歯やさし歯が合わなくなってしまう可能性があります。
精密な型取りをして歯にぴったりなものが作られるので、時間が長く経過するにつれお口の中も変化してしまうのでぴったりと合わなくなったり、精密なものを入れることができなくなります。
その他にも、治療中の歯はとても弱いので仮詰めはしてありますが、折れてしまったり欠けてしまうこともあります、そうなるとまた作り直しになってしまいます。
手間も時間もお金も多くかかってしまいます。
その為にも、しっかりと予約した日に来院することが重要となります。
2.虫歯を削ってそのままにした場合
歯に虫歯があり、削って治療した場合にすぐに詰め物をしないで一度、神経を鎮静させるためにお薬を詰めておくことがあります。
虫歯を削った為に痛みも落ち着き、穴にはお薬が詰めてあるので安心してしまい来院されなくなる患者さんがいらっしゃいます。
しかし一時的なお薬の詰め物になりますから、このまま放置してしまうと詰め物が取れてし まったり、そこから細菌が進入することにより
さらに虫歯になってしまうこともあります。
前回よりもさらに悪化してしまう可能性もありますから、しっかりと最後まで通院しましょう。
3.歯の神経をとったまま放置
歯の根を取ったあとは、内部はとても弱くなっています。神経の管を洗ってお薬をいれます。
お薬が効くように数日間は期間を置くことがありますが、長期に期間を空けたり治療を中断してしまうと、神経の管の中が汚れてきてしまいます。
洗ってお薬を交換する作業は何回か行わなければなりません。
中断してしまうと歯の寿命を縮める原因に なります。
決められた期間を守ってしっかりと最後まで通院して下さい。
忙しくて次の治療までの期間が空きそうだったり、通院が難しくなりそうな場合は事前にしっかりと歯科医に伝えておきま しょう。
あなたにあった無理の無いスケジュールをたてて治療を行っていきましょう。
予約をキャンセルしてしまったら、早めに時間を見つけて通院を再開しましょう。
見た目が気になるすきっ歯
みなさんの中ですきっ歯で悩んでいる人はいませんか?
前歯がすきっ歯だと見た目が気になりますし、奥歯がすきっ歯だと食べ物が挟まったりして気になりますよね。
今回はすきっ歯についてお話ししたいと思います。
すきっ歯とは
すきっ歯とは専門用語でいうと、前歯のすきっ歯のことを”正中離開”、全体的に隙間が空いている状態を”空隙歯列”と言います。
すきっ歯の原因
ではすきっ歯になる原因は何でしょうか詳しくお話しします。
1.顎が大きい
顎が大きくて歯とのバランスが崩れることで歯と歯の間に隙間ができます。
隙間の場所は前歯だけであったり、全体的に隙間があったりと人それぞれです。
2.遺伝的要因
本来であればお口の中の歯の数は成人で28本です。
しかし、なんらかの原因で歯が骨の中に埋まったままになってしまったり、乳歯の後続歯が生えてこなくて乳歯のままだったりすると歯と歯の間に隙間ができます。
3.舌を押し出す癖がある
しゃべるときや食事をするときなど無意識に舌を前に押し出す習慣がある人は前歯がだんだん押されることで歯列が開いてしまいすきっ歯になることがあります。
4.上唇小帯の問題
上唇と歯茎をつないでいる筋を上唇小帯といいます。この上唇小帯が長かったり、太かったりすると歯が離れる原因となります。
すきっ歯のデメリット
では、すきっ歯のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
虫歯や歯周病のリスクが上がる
すきっ歯の場合、歯と歯の間に物が挟まりやすくなります。また隙間があることで歯磨きの磨き残しも多くなる場所でもあります。そのため、磨き残しから虫歯になったり、歯周病の原因にもなります。
発音の問題
すきっ歯の場合”さ行”や”た行”の発音がしにくくなり、発音に問題が生じることがあります。
すきっ歯=幸運の歯?
しかし、フランスではすきっ歯のことを”幸運の歯”と呼んでいるそうです。
理由として歯の隙間から幸運が入ってくるといわれているそうです。このように海外ではチャームポイントとしてしたしまれているようですね。
すきっ歯の治療法としては歯科矯正や、コンポジットレジンで治す方法、かぶせものなどの方法があります。すきっ歯が気になる方はぜひお近くの歯科医院へ相談してみてください。
重層で歯磨き?!
多くの方は歯磨きをするときに歯磨き粉を使用しているのではないでしょうか?
最近ではさまざまな種類の歯磨き粉が発売されており、口臭予防や知覚過敏、歯周病予防などといったそれぞれの用途に合った歯磨き粉もありますよね。
しかし、歯磨きの際に歯磨き粉ではなく、重曹を使って歯磨きをする人が増えてきているようです。
今回は重曹で歯磨きをした時のメリット・デメリットをお話ししたいと思います。
重曹ってどんなもの?
そもそもみなさんが重曹と言われて想像するのは、台所の油汚れを落としたり、頑固な茶渋を掃除したり洗濯などに使う掃除用品と思っているのではないでしょうか。
重曹をお口の中に使ったりして大丈夫なの?と疑問に思う方も多いと思います。
重曹は天然の無機物質
重曹は、人の体に含まれている天然の無機物質ですので害はありません。昔からよくアク抜きやお菓子作りに使われている物でもあります。しかし、いくら大丈夫だからと言って、重曹の過剰摂取はNGです。気持ちが悪くなったり、過呼吸につながる可能性があるそうです。とくに、高血圧症や腎臓疾患などで治療中の方は注意しましょう。
重曹歯磨き粉の作り方
では、まず重曹歯磨き粉の作り方です。
重曹と植物グリセリンを2:1の割合でよく混ぜる。たったこれだけで歯磨き粉の完成です!
しかし、重曹には歯磨き粉のような爽快感のある味はしないので、気になる方はミントやハーブのエッセンスを加えて作るといいかもしれません。また、保存料は入っていないので長期保存には向いていません。数日のうちに使い切りましょう。
重曹歯磨き粉のメリット・デメリット
重曹歯磨き粉のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
【メリット】
・虫歯予防の効果がある
虫歯は酸を産生させることで歯を溶かします。唾液には酸を中和させる働きがあります。このように重曹にも唾液と同じような酸を中和させる成分が入っているので虫歯予防になるというわけです。
・ホワイトニング効果がある
重曹歯磨き粉を歯につけて少し時間を置いて磨くことで歯の汚れが浮き出てホワイトニング効果があります。
・口臭予防にも効果がある
歯だけではなく舌のぬめりもすっきりさせてくれるので口臭の予防にもつながります。
【デメリット】
・歯が削れる可能性がある
重曹は研磨作用がとても強いです。また、キッチン周りの頑固な汚れも落とすことで分かるようにとても強力な洗浄パワーがあります。そのため、重曹歯磨き粉でごしごし力を入れて歯磨きをしてしまうと、歯の表面のエナメル質まで削れてしまう、傷がついてしまう恐れがあります。その結果、歯がしみて知覚過敏になってしまったり、逆に歯が黄ばんでしまうこともあります。エナメル質は一度削れてしまうと元には戻りません。
ではどのように使用したらよいのでしょうか。
- 重曹歯磨きをするときは力を入れず優しく歯磨きをする。
- 歯磨き粉の代わりに毎日やるのではなく、週に1度~3度くらいのペースで行う。
- 歯ブラシは固めより毛先が柔らかいものを使用する。
上記のようなことを守れば歯にも害はありません。
一度試してみてはいかがでしょうか。
若年性歯周病(侵害性歯周炎)について
歯周病と聞くと、中高年にかけて発症する病気と思われがちです。
近年、小学生や、10代、20代の歯周病も増えており、30歳以下の若年層で発症した場合を、若年性歯周病(正式名 侵襲性歯周炎)と呼ぶようになりました。
若年性歯周病の特徴
- 通常の歯周病よりも急速に進行します。
- 前歯と、第一大臼歯に限って発症することがあります。
- 家族集積性が見られることがあります。
(家族集積性とは、ある形質が、特定の家族内または家系内に高い頻度で認められること) - 一般的な歯周病の治療ではなかなか治りません。
若年性歯周病の原因
- 免疫抵抗力の低さがあると言われています。
通常なんでもない程度の汚れに対して、若年性歯周病の方は過敏反応し、炎症を起こすのです。
ですから若年性歯周病の方は慎重に口腔ケアをしていかなくてはなりません。 - 歯磨きの仕方や、回数、食事のとり方や、生活習慣に問題があるなど、正しいプラークコントロールができていないといった問題があります。
- 免疫機能、特に白血球機能低下が原因とも言われています。
- 特殊な細菌Aaによる感染も原因の一つと言われています。
- 遺伝的な問題や夫婦間での水平的感染から、子供へ垂直的感染が原因とも言われています。
若年性歯周病の症状は、通常の歯周病と変わりありません。まず歯茎が腫れて出血します。
これを放置しておくと、歯を支えている骨が破壊され、歯がぐらぐらしたり、痛みを伴うようになり、最終的には抜け落ちてしまいます。
歯周炎特有の口臭もあり、症状が進行すると共に口臭がきつくなります。
若年性歯周病の治療法
若年性歯周病は進行速度が早い為、早期治療が大切になります。
通常の歯周病治療に加え、抗菌剤や抗生物質といった薬物療法による治療が有効な場合もあります。
また症状がかなり進んでしまった場合は、歯ぐきを切開して歯石の除去を行う外科的処置を行います。
外科的処置をした後でも再発をする可能性があるために、正しい歯の磨き方を覚えるなど、日々のプラークコントロールと定期的な歯科検診を行うことが重要です。
親知らずを抜歯したら痛みがとれない!?
最近では、顎が小さくて親知らずが斜めに生えて痛みがでたり、親知らずの清掃が十分にできなくて虫歯になってしまったりして抜歯をする方がたくさんいます。しかし、親知らずを抜いたのに痛みが引かない。痛みが1週間以上も続いている。その原因にドライソケットというものがあります。
今回はドライソケットについて詳しくお話しします。
ドライソケットってなに?
“ドライソケット”という言葉はあまり聞いたことありませんよね。
抜歯後に出来る血の塊のようなものを血餅といいます。ドライソケットとは、この血餅が出来ない状態をいいます。抜歯をされた方はお分かりかもしれませんが、普通抜歯をしたら約3日程度で痛みは治まります。しかしドライソケットの場合強い痛みが数日たっても治まらず、触ると痛みが生じ、冷たいものなどがしみるというような症状がでてきます。
※血餅(けっぺい)とは親知らずなどの治療の後に患部に出来る「血の塊」のようなもののことを指します。
ソケットの原因
抜歯の時に出血が少なかった場合や、抜歯後に繰り返し強いうがいなどを行うことで、骨の上で血液が固まらなかったため(かさぶたできなかったため)骨の表面が出たままになってしまう。その他にも、抜歯したところが気になって故意に舌で触ってしまい血餅がはがれたり、くしゃみなど圧がかかることで血餅がとれてしまうこともあります。
男性より女性のほうがなりやすい
ドライソケットは特に下の親知らずを抜歯した時に約20%の割合で起こるといわれています。
これは、親知らずの抜糸は細菌感染が起こりやすいことや、上の親知らずより下の親知らずの骨が硬いため出血が少ないことなどが関係しているといわれています。
また、ドライソケットは男性よりも女性のリスクが高いといわれています。理由としては、女性特有のホルモンが関係しているようです。
骨が露出している
痛みの原因は血餅によって覆い隠されているはずの骨が露出しているためです。
症状としては、
- 触ると激痛がする
- こめかみあたりまで痛みがある
- 抜歯後数日たっても痛みが引かない
- 口を開けるのも困難
などの症状があります。
また、抜歯した後の穴の中をみてみると骨が露出しているため白く見えます。
ドライソケットになってしまったらどうしたらよいのでしょうか
自宅でできることは、痛み止めを服用し安静にすることです。
そしてなにより、歯医者さんへ連絡し、患部を診察してもらい適切な処置をしてもらいましょう。
警察歯科医ってなに?~歯科情報からわかる身元情報~
ここ数年日本や世界各国で大きな自然災害が多発しています。
思い出したくない記憶ですが、日本でも2011年3月3日に東北地方太平洋沖地震に伴って発生した津波や、
その後の余震により起こされた大規模地震災害である東日本大震災が発生しました。
※Wikipediaより
この震災で命を落とされた方や、現在も行方が分からない方も多くいます。
人気歌手のGreeeeN(メンバーは全員歯科医師)のリーダーも、福島第一原子力発電所から20キロ圏内での検死作業に携わったそうです。
身元不明者はどのように特定されるのでしょう
身元不明のままでは家族の元へ帰ることができません。
しかし、お口の中の情報から該当者を確認する警察歯科医という組織があります。
発足のきっかけは、昭和60年の群馬県御巣鷹山日航機墜落事故の時に警察歯科医の必要性が認知されたためです。
昭和61年に警察庁刑事局長より日本歯科医師会宛に警察歯科組織についての要望文書が出され、これを契機として全国に警察歯科医並びに警察歯科組織が誕生しました。
事件や、事故、災害などで亡くなった遺体のお口の中の状態や歯の型などから身元の確認を行う歯科医師のことを警察歯科医といいます。
全国でも歯科医師会を中心として、警察歯科医会とよばれる組織も増えてきています。
警察歯科医は以下の図のように一般の歯科医師が専門の研修を受け、警察歯科医となります。
どうしてお口の中だけで身元の確認ができるの?
みなさんのお口を見ていただくとわかるように人の歯や歯列の状態などは一人ひとり違います。
また、人間の歯はとっても固い構造のため、亡くなってから少し時間がたってもそのままの状態を保っていることが多くあります。
そのため、歯科治療の経歴やレントゲン写真、カルテの記録などを照らし合わせて身元を確認します。
お口の中以外にもさまざまな所見から身元確認をします
・住所や所持品からの特定
所持品に身分証明書などがないかなどを確認します。津波などで流されてしまった場合は住所からの特定は難しくなります。
・顔を直接みて確認(面確)
顔をみて確認できる場合は顔を見て確認します。
・指紋やDNA型
これらは一人ひとり違うのでそこから特定していきます。
その他に体の特徴などからも特定していきます。
警察歯科医の業務は身元確認作業
警察歯科医の主な業務は身元確認作業です。
警察歯科医はその方が生前どのような治療をしていたか、お口の中の観察、歯列の形、歯科の記録などを照らし合わせて身元確認に役立てています。
実際は、歯のすりへり方などからその人の癖や年齢の推測、顎や歯の形から男女どちらかの推測、残存歯など治療の形跡から年齢層の推測などができます。
このようにお口の中には多くの情報があります。身元不明者が一人でも減るように歯科の分野でもこれからもっと役立てるようになればと思います。
乳歯が虫歯に!!
今回は乳歯の虫歯について詳しくお話ししたいと思います。
乳歯が虫歯になってどうせ永久歯に生え変わるから気にしないと思っている人もいるのではないでしょうか。しかしそれは間違いです。乳歯に虫歯が多くある子は永久歯にも虫歯が多くなるといわれています。
乳歯の虫歯の色は?
永久歯にできる虫歯は黒くて、プロの目で見なくても鏡で見ると虫歯かな?と気づくことは多いと思います。しかし、乳歯の虫歯は黒くはなく、白いことが多いです。乳歯の虫歯の特徴は、虫歯が白く白濁するために気づかずに進行することが多いことと、白い虫歯は黒い虫歯より進行するのが早いといわれています。
小さいお子さんで歯と歯の間が黒くなっている子供を見たことがあると思いますが、それはサホライドという虫歯の進行をおくらせるお薬です。
乳歯は永久歯と比べるとやわらかいので虫歯が早く進行します。(乳歯のエナメル質は大人の半分といわれています)そのため白い虫歯が多いのです。
汚れを落とすには補助用具の併用を!!
乳歯の虫歯の好発部位は歯と歯の間の部分です。特に奥歯は前歯と違い歯と歯の間がつまっているため、歯ブラシだけでは汚れをきれいに落とすことができません。
前歯の歯と歯の間の部分もミルクを長い間哺乳瓶で飲んでいたりすると虫歯ができます。子供用のデンタルフロスなどを使って汚れを落としましょう。
お父さんやお母さんの仕上げ磨きが重要
子供が虫歯になっても痛みが出にくいので虫歯が進行してやっと気づくということも多いです。また、乳歯の歯のエナメル質・象牙質の厚さは薄く、神経は大きいため虫歯になるとすぐに神経まで到達する虫歯となります。親がしっかり仕上げ磨きの時などにお口の中を観察してあげましょう。
治療法は?
小さい虫歯の治療は、神経に虫歯が進行する前に虫歯を削ってプラスチックで詰めていく治療をします。しかし、まだ年齢が小さすぎて、歯科治療をしっかりできない場合もあります。その場合は、濃度の高いフッ素を定期的に塗ることで虫歯の進行を抑えていきます。
しかし、虫歯の範囲があまりにも広く、進行している場合は全身麻酔で歯科治療を行う場合もあります。
定期的なケアを行いましょう
こどもたちの歯磨きには大人の「仕上げ磨き」が欠かせません。大切な歯のために大人が手伝ってあげましょう!また、定期的にフッ素を塗るのもいいですね。
矯正中の口腔ケア
みなさんの周りにも矯正している方、または自分自身矯正をしているという方は意外と多いのではないでしょうか? 矯正するときワイヤーを使って治療をしている人は歯磨きをどのように気を付けたらよいのでしょうか。今回は矯正中の口腔ケアについてお話しします。
矯正中1番気を付けることはハブラシ
矯正中はいろいろな器具が歯に取り付けられるため、器具の下やワイヤー周辺が汚れやすくなります。そのため、いつも以上に細かいところまで磨いて虫歯やそのほかのトラブルを防ぐ必要があります。
矯正する時に歯1本1本についているプラスチックのようなものをブラケットといいます。
では、ブラケット周辺のブラッシング方法について紹介しましょう。
ブラケットを上ななめ方向から歯ブラシの毛先を当てて一本一本丁寧に磨くようにしましょう。
上が終わったら次は下からです。
歯と歯茎の境目の部分も汚れがたまりやすい部分と言えます
これは矯正している人だけでなくみなさん汚れがたまりやすい部分ですよ!! この部分は境目に毛先が当たるようにななめにあててあげましょう。その時に歯と歯茎の境目をマッサージするような形で磨いてあげるといいと思います。次に歯と歯の間です。この部分は歯ブラシを縦にして毛先を歯と歯の間に入れるように磨きます。
補助用具とは?
歯ブラシでは大きすぎで磨きにくいという方は、タフトブラシなどの補助用具を使ってみがくとよいでしょう。
通の歯ブラシではどうしても磨き残しを作ってしまいがちですので、矯正用の歯ブラシを使ってみるのも良いかと思います。 矯正用の歯ブラシにもいろいろな種類がありますので、一度どの形の歯ブラシを使えばよいか、衛生士さんや歯科医師に聞いてみましょう。
このように矯正中は普段の歯磨きより丁寧に細かくブラッシングすることが重要となります。
歯周病が悪化したり、虫歯がひどくなると矯正装置を一度外さなければならないといった症例もあります。
そうならないためにも、しっかり鏡を見て一本一本時間をかけて歯磨きするようにしましょう。
二次う蝕(二次カリエス)って?!
お口の中にかぶせものや詰め物がある方はいらっしゃいますか?
詰め物がしてあって治療済の虫歯なのに詰め物のまわりが黒くなっていたり、痛みがあったりする経験がある人は少なくないのではないでしょうか?
実は大人の虫歯の原因には二次う蝕というものがあります。
二次う蝕とは
詰め物がしてある歯や、かぶせものがしてある歯の境目から虫歯菌が入り込むことで中を虫歯にしてしまうことです。詰め物はご自身の歯ではないので、細かく見ていくとどうしても歯と詰め物の間に段差ができます。その段差の部分に汚れがたまりやすいのです!!
詰め物のすき間から虫歯になる!?
また、治療してから何年かたつと、詰め物自体が劣化し、詰め物が収縮し隙間ができることもあります。
その時点で気づけば、もう一度削って詰めなおす治療ができますが、なかなか気づく人は少ないと思います。
特に、神経を抜いた歯がかぶせものの下から虫歯になると痛みがでないので、虫歯と気づいた時には、虫歯が進行し、最悪抜糸になる場合もあります。また、詰め物を詰めた歯が虫歯になると治療した時点で前回削っているわけですので、虫歯の部分を削るとさらに大きく削ることになります。
そのため、神経がでてきてしまい神経の治療をしなければならなくなったりすることがあります。
二次う蝕にしないために
では二次う蝕にしないためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
1.しっかりとしたブラッシング
予防するにはまず、しっかりブラッシングを行うことです。当然磨き残しがあればそこから虫歯になってしまいます。できるだけ1日3回しっかりと歯磨きするようにしましょう!特に寝る前は忘れずに行いましょう!
2.お口の中を観察
鏡を見ながらお口の中を観察することも大切です!かぶせものに段差やすきまがないか、詰め物の周りが黒くなっていないかなどみてみましょう。
3.歯科医院での定期健診
定期健診でプロの目からもみてもらいましょう。見えづらい部位に虫歯がかくれていることがあります。
みなさんのお口の中はみなさん自身で虫歯から守りましょう。
歯が欠けたらどうしたらいいの?
転んだり、どこかに顔をぶつけて歯が欠けてしまった!または、食事中に固いものを噛んだら歯が欠けたなど、歯が欠けた経験がある人は少なくはないのでしょうか?
今回は歯が欠けたときはどのような治療をするのかを紹介します。
歯が欠ける原因はなにか?
- 転んだり、ぶつけたりして歯が欠ける
- 虫歯が歯の中で広がることで突然ぼろっと欠ける
- 食いしばりの癖があったり歯ぎしりをしたりすることで負担がかかり欠ける
- かみ合わせが原因で負担がかかり欠ける
などがあります。
欠けた時の治療法は?
まず、歯の欠けた範囲が大きい場合は欠けた破片を歯医者さんに持っていきましょう。大きな破片であれば、そのまま自分の歯と接着することができる場合があります。
自分で接着剤などで接着するといった行為はしないでください。歯医者さんにお任せしましょう。
欠けた部分には、虫歯を詰めるときにつかうレジンという白いプラスチックの材料で埋め、歯の形に近くなるように治療していきます。
歯が欠けているのに気づいたら・・・
欠けた部分は鋭利になっているためそのままにしておくと、頬や唇を傷つけてしまいますので、少しでも欠けたら歯医者さんに行くようにしましょう。
場合によって欠けた範囲が大きく神経まで達して、神経が見えている場合には痛みをともなうことが多いでしょう。
その場合は神経を抜いて神経の治療をします。
その後かぶせものをかぶせたり、レジンで治療したりします。
料金について
前歯が欠けたときなど、前歯は保険が効かないから自費の治療になるのではないか?
と心配している方もいるかもれませんが、それは間違いです。自費治療になるかどうかは、つめたりかぶせたりする材料によって変わります。
白いプラスチックのレジンで治療する場合はもちろん保険内での治療になります。審美的に気になる方であれば、歯医者さんに相談し自費の材質のもので治療する人もいます。
歯が欠けるのを予防するには?
外傷の多いスポーツなどをしている方はスポーツ用のマウスピースを使うとよいでしょう。食いしばりや歯ぎしりの方もマウスピースを使うことで歯への負担が少なくなります。
歯が欠けたらまず痛い痛くないに関係なく歯医者さんにみてもらうようにしましょう。
知っている?話題のオーガニック歯磨き粉!
みなさん“オーガニック”という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
オーガニックの意味には、有機という意味があり、科学的に合成された肥料や農薬を使わずに堆肥等による土づくりなどを行った場所で栽培されたもののことをオーガニック商品といいます。
オーガニック商品について
有機農産物、または有機農産物を加工して作られたものの名称を(オーガニック○○)の表示は「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」の適用を受け、認証先を記した「有機JASマーク」の表示が必要となる。
歯磨き粉は歯磨きのたびに毎回お口の中に入れるものなので、安全で安心して使えるものと思っている方も多くいるのではないでしょうか?
皆さんが使用している歯磨き粉は化学物質がたくさん配合されています。
もし使い続ければ何十年もの間、口を合成洗剤や化学物質で洗うことになってしまいます。
オーガニックの歯磨き粉は天然素材でできているため、体には良いといわれていますし、植物成分が配合されていて安心して使用することができます。
オーガニック歯磨き粉の特徴
オーガニック歯磨き粉の特徴としては、歯磨きした時に泡がたちません。
オーガニック歯磨き粉には、一般の歯磨き粉に入っている発泡剤が使われていません。
そのため、泡立ちがなく磨き足りないと思う方もいるかもしれませんが、それで正解なのです!
泡立ちがないことであまり歯磨きをした気分になれない方もいるかもしれませんが、泡立たないことで、自然と歯磨きに時間をかけて
口腔内をしっかり磨くことができるのではないでしょうか?
また、オーガニック歯磨き粉は天然由来の洗浄成分を使用しています。
特に海泥を使用しているオーガニック歯磨き粉は汚れの吸着力が、一般の歯磨き粉と比べると格段に良く、歯磨き後に歯を触ってみるとつるつるになります。
一般の歯磨き粉には着色料などの化学物質が多く含まれているのに対し、オーガニック歯磨き粉は天然由来のため、食べてしまっても人体に害を及ぼすことはありません。
そのため、小さいお子さんから使用できます。
子どもこそ、本当に安心安全なハミガキ習慣をしてほしいのです。
このように、良いことだらけの歯磨き粉にも欠点があります。
一般の歯磨き粉と比べると料金が高めということです。
気になる方は使ってみるのが一番です!
一度使ってみる価値はあると思いますので気になる方は一度使用してみたらいかがでしょうか。
入れ歯の痛みの原因は?
入れ歯を入れている方のほとんどが入れ歯を入れた時に痛みがある人がいるのではないでしょうか?今回は入れ歯の痛みの原因にはどのようなものがあるのか詳しくお話しいたします。
入れ歯の原因にはどんなものがあるの?
初めて入れ歯を入れる時や、新しい入れ歯を入れたときは確かに痛みがあると思われる方がいると思います。
2~3日ぐらいで痛みが気にならなくなるようであれば大丈夫なのですが、痛みが何日も続くなど、様子を見ても痛みが変わらないようであれば歯科医院へ行って診てもらいましょう。
1.入れ歯が合っていない
入れ歯を入れて食事をすると痛みが強くて食べられないという経験をされたかたもいるのではないでしょうか。
原因は、入れ歯が歯茎にあっていないことで歯茎に傷ができて噛むたびに痛いなどの症状がでてきます。
入れ歯を入れたときに入れ歯全体を指で押してみてください。
痛ければ入れ歯があっていないことが疑われます。
2.かみ合わせが悪い
普段何もしていない時に入れ歯を入れても痛みがないが、物を噛んだ時などに痛みを感じる場合はかみ合わせに原因があるかもしれません。
また、使い始めのころは痛みがなかったのに、だんだん痛みがでてくるような場合もかみ合わせや入れ歯とのバランスが崩れたためと考えられます。
この場合も歯科医院へ相談してみましょう。
噛むのが痛いからといって柔らかいものだけを噛むのは機能低下の原因となりますのでやめましょう。
3.唾液が少ない
唾液は入れ歯と歯茎の間の潤滑油の役目となります。そのため唾液が少ないと痛みを生じる場合があります。また、入れ歯を入れていると唾液が減ってしまうこともあります。
原因としては唾液が出る腺(唾液腺)を入れ歯が塞いでしまうことで唾液の量が減る可能性があります。
4.口腔内に傷がある
お口の中に傷があったりアフタがある場合も入れ歯に当たる部分があれば痛みを生じるでしょう。痛みがひどい場合は入れ歯を外して様子をみて、医師に相談するようにしましょう。
入れ歯のトラブルは自分では何が悪いのか判断しかねます。痛みがあるときは歯医者さんへ相談するようにしましょう。
昔の歯ブラシ
歯を磨くという習慣は何千年も昔から存在しました。
では歯ブラシの原型はどのようなものだったのでしょうか。
昔の歯ブラシはどんな物だったの?
昔は当然現在の歯ブラシのような形の歯ブラシではありませんでした。昔は香りのよい樹木の枝を楊枝のようにしてくわえて、口腔内に良い香りを残していたそうです。
ニームの枝
インドでよく使われているニームの枝がだんだん進化し、木の棒の端の繊維をほぐしブラシの役目にして使ったりもしたそうです。
そのため小枝ブラシ、歯木などと呼ばれていたそうです。
時代が経つにつれこのような楊枝は房楊枝と呼ばれ多くの人に使用されてきました。
明治時代の初めころには現在の歯ブラシに似たような形に変化しました。
しかし、現代と同じ歯ブラシができた当初は、あまり見かけない外見からか人々に見向きされなかったといいます。
歯を磨くではなく歯を拭いていた?
何を使って歯磨きしていたかというと、一般家庭では、布やスポンジを使って歯を磨くというより、歯を拭くという行為をしていました。そのころはまだ歯ブラシは高級品だったようで上流階級の人々や貴族の間でのみ使用されていたようです。
塩で歯磨き
また、塩で歯磨きをする時代もあったようです。塩には除菌作用があり塩で歯をこすることで歯の清掃をしていたのですね。また、塩水でうがいをすることも多くあったそうです。
近頃は健康という言葉に関心が高まっているためか、お口関係でも様々なケアグッズや補助用品が発売されています。
昔は歯ブラシのみで糸ようじやフロスを使用している人はほとんどいませんでしたが、今ではテレビCMでよく放送されていたりして多くの人が使用しています。電動歯ブラシを使っている人もたくさんいますよね。
電動歯ブラシの使用
電動歯ブラシを使うことで自分の手では落とせなかった細かいところの汚れまで落とすことができます。
昔は高くて買えない時代もありましたが、今では安く手に入るようになりました。
昔は木だったのに今では手動を超えて電動歯ブラシ。
歯ブラシの進化はすごいですね。みなさんの周りにもたくさんの種類の歯ブラシがあると思います。
それぞれ自分にあった歯ブラシでお口の中の健康を守り、健やかな歯を保ちましょう。
親知らずを抜いたらなぜ腫れる?
よく「親知らずを抜いたら腫れた。」という話や、親知らずを抜いて顔が腫れた人を見たことはありませんか?
なぜ親知らずを抜いたら腫れてしまうのでしょうか?
まず親知らずを抜いたら必ず腫れる訳ではないのです。
親知らずの状態と生え方によって変わってきます。
親知らずが歯茎に埋まっていて見えない場合は、歯茎を切って顎の骨に埋まっている親知らずを抜かなければいけません。
歯を抜く際に、骨を削って修正してから歯を取り出します。
このような場合、抜いた後に腫れやすくなります。
親知らずが普通の歯と同じように生えている場合はあまり腫れることはありません。虫歯で歯が欠けてしまったり割れた場合は、埋まっている時と同じように抜くこともあります。
下の親知らずは、上に比べると骨が硬くしっかりしているので抜きにくいです。
そして歯茎に埋まっていたり、半分しか頭が出ていないことが多くさらに骨の中に埋まっていることがあります。なので骨を修正して削ってから、抜かなければいけない場合もあります。上の親知らずは下に比べると腫れにくいですが、奥のほうにあったり骨に隠れて頭を出していない場合に抜いた時に腫れることがあります。
一般的に骨を削って抜いた場合に腫れが大きくなります。骨を削るので炎症反応が強くでます。細菌の進入を防御し、抜歯によって破壊された組織を修復する為に起こる反応が炎症といい、それが腫れとなって現れるのです。
どのような親知らずが抜いた方が良いとされるのか?
まっすぐに生えていてきちんと上下噛み合っている親知らずは抜く必要はありません。
歯茎の中に潜っていて正常に生えてくる可能性がある親知らずも抜く必要はありません。
親知らずの頭が少し出ている場合は汚れも溜まりやすいので炎症も起こしやすくなっています。
これが「智歯周囲炎」です。
さらに親知らずは奥の方にあり、ブラッシングが難しい為に虫歯になりやすいです。
そのまま放っておくと隣の歯まで虫歯になってしまう可能性もあります。
正常に生えていても噛み合わせる歯が無いと歯がどんどん伸び出してしまいます。
その為、歯茎を傷つけてしまったり、顎の関節に負担をかけてしまう場合もあります。
親知らずが周辺の歯や歯茎に悪影響を与える時には抜歯を考えた方が良いでしょう。
親知らずを抜いた後、2~3日は腫れのピークになります。
しかし処方された内服薬と痛み止めを服用しますので日が経つごとに徐々に落ち着いてくるでしょう。
気になる方は、一度歯科医に相談してみて下さい。
仮歯を入れたら注意すること!
歯医者さんでの治療で歯を抜いたときや、かぶせものをかぶせるまでの間、仮の歯(ダミーの歯)を入れたことのある人も多くいるのではないでしょうか?
今回は仮歯を入れたときの注意点を説明します。
なぜ仮歯が必要なのでしょうか
歯が動くのを防ぐ
歯を大きく削ると、歯と歯の間に隙間ができます。そのため、前後の歯がその隙間に倒れてきたり、噛みあう歯が伸びてきたりします。また、歯が動いてしまったら、せっかく型どりをして作成したかぶせものが入らなくなったりすることがあります。このように歯の移動を防ぐために仮歯を入れます。
歯茎のもりあがりを防ぐ
歯を削ることでできるスペースに歯茎が広がってきたり、もりあがったりすることがあります。そうなると、かぶせものがうまく入らなかったりします。
また、仮歯を入れずにそのままにしておくと、削ってできたスペースに食べかすなどがはさまり、歯肉炎になったり、炎症を起こしたりします。
審美性の問題
歯を大きく削った時や、歯を抜いたときはやはり審美性がきになりますよね?仮歯を入れることで審美性もあまり気にならなくなります。そのほかにも、しみるのを防いだり、食事がしっかり噛めたりとメリットがあります。
仮歯の注意点
おせんべいなどの固い食べ物は避ける
仮歯はご自身の歯のように固くはなく、その場でプラスチックで作っています。そのため、固いものをガリっとかんでしまうと、欠けてしまったりします。
くっつきやすい食べ物も避ける
もちやガムなど粘着性のある食べ物も仮歯を避けて食べましょう。食べているうちに、仮歯がぽろっととれてしまったなんて経験がある人もいるのではないでしょうか?
仮歯のまま放置しない
仮歯を入れると見た目は審美性がいいので、ここで治療をやめてしまう方もいます。しかし、仮歯は長期間使うものではないので、隙間から虫歯になったり、かみ合わせが変化したりします。
補助用具の使い方
歯ブラシ以外に歯と歯の間をフロスや糸ようじで磨くのはとても大切です。しかし、ご自身の歯と同じように強くフロスを引き抜いたりはしないでください。仮歯が取れる原因となります。フロスを通したら横から抜くように使用すると負担がありません。
もし、きつくてフロスが入らないようでしたら、歯科医院に相談してみましょう。無理に入れたりしないでくださいね。
もしも仮歯が取れてしまったら、捨てたりはせず、袋などに入れて歯科医院にもっていきましょう。欠けていたりしていなければそのままつけることができます。
欠けたりした場合も同様に歯科医院へもっていき修理または、改めて作り直してもらいましょう。
最終的なかぶせものがかぶるまでは、注意して仮歯で生活してください。
歯周病は感染症
成人の約90%が知らないうちに感染していると言われている歯周病。
最近では10代~20代で歯周病になる患者さんも増えています。(若年性歯周炎)
歯周病は自分がなっていなくても、家族や他人、ペットから感染する可能性があります。
知っている方も多いかもしれませんが、歯周病は箸の使いまわしやキス、飲み物の飲みまわしなどで感染してしまう可能性があります。
もちろんお子さんがいる方がスプーンの使い回しなどをしただけでうつります。
例えば結婚されている方で、旦那さんが歯周病だったとしましょう。奥さんが歯周病でなくても、旦那さんからキスなどで菌がうつります。奥さんの免疫力が落ちている時や、疲れているときなどに発症する可能性があります。そのため、夫婦やカップルで歯周病の予防を行う事がよいでしょう。
歯周病を他人にうつさないようにするにはどうしたらよいの?
◎お口の中のキレイな状態を保つ事!!
つまり、お口の中にプラークや汚れを貯めずに清潔にする事が大切です。先ほど歯周病はキスや箸の使いまわしなどでうつるといいましたが、感染したからといって歯周病が発症するとは限りません。歯周病に感染し、体力が落ちていたり、抵抗力が落ちている時に発症します。
子どもは歯周病にならないの?
最近、子どもの歯肉炎が増えてきています。子どもの歯周病ってあまり聞きませんよね?
子どもは大人に比べると歯周病になるリスクが低いと言えます。しかし、子どもがかからない病気ではないということを知っておいて下さい。そのため、小さいうちからしっかりお口の中を清潔にし、定期検診を受け、キレイな口腔環境を維持する事が大切です。
ペットからもうつるの?
お家に犬や猫などのペットを飼っている方も多いと思います。ペットも家族の一員ですが、犬や猫にお口の周りをなめられたりすることでも感染の可能性がありますので注意して下さい。
このように、歯周病は感染症です。自分やパートナー、子どものお口の中の健康を保つ為にもしっかり口腔ケアしていきましょう。
歯周内科って何?
みなさんは、「 歯周内科」という言葉を聞いたことはありますか?
歯周病に対する新しい治療として注目されています。まず、歯周病について説明します。
歯周病とは…?
歯周病とは、お口の中の細菌が原因で発症します。
ブラッシングが上手く出来ずに磨き残しがあると、食べかすが歯の表面に付着したままになります。
そのまま放置されると細菌が繁殖する住みかになります。
その細菌が毒素を出し、歯肉は炎症を起こします。
さらに放置してしまうとやがては、歯を支える骨までも溶かしてしまいます。
最終的には、歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。
45~54歳ではおよそ90%近くの人が歯周病にかかっていると言われています。
従来の治療方法
従来の歯周病の治療は、歯肉の中や表面についた歯石を機械的に取り除き、専用の器具を使って磨きます。
そして患者さんに家でのブラッシングを頑張ってもらう方法が主流でした。
しかし、ブラッシングの仕方に個人差があったり長期の通院の途中で来院されなくなった患者さんがいたりするので、思うように歯周病が治らない患者さんもいました。
歯周内科とは、こういった従来の治療とは異なりお薬を使って歯周病を治そう!というものです。
歯周内科を簡単に言うと「お口の中の除菌治療」です。
細菌が原因で歯周病になるので、その細菌を退治していく治療になります。
従来の治療に比べ、痛みが少なく治療期間が短縮されました。
歯周病が進行していない方でも歯周内科治療を行うことにより、歯周病が進行しにくくなる効果があります。
歯周内科治療方法
- 位相差顕微鏡により菌の確認をする
- 細菌を除去する内服薬を服用する
- カビの除菌薬剤あるいはカビ取り歯磨き剤での歯磨き
- 除石後の歯石取り
- 定期検診、クリーニング
ポイントとなるのが位相差顕微鏡での菌の確認になります。
歯周病菌が多いか少ないか、又はどのような種類の菌がいるのかを確認します。
歯周病が進行している方のプラークからは「トレポネーマ」という菌が見られます。
他にもカンジタなどのカビ菌も見られる場合もあります。
元々お口の中には何百種類もの細菌がいるものです。
お薬を内服やカビ取り剤で歯磨きをすることにより、歯周病菌の原因となる悪い菌を除菌することができます。
症状が落ち着いてから、歯茎のポケットの深い所にある歯石を除去していきます。
除菌され、お口の中の環境が改善されてもその状態が維持されなければ意味が無くなってしまいます。
そのためにも、定期的な検診と歯のクリーニングが必要になります。
歯周病は感染病なので再感染を起こさないためにも、ご自身のケアと定期検診が必要になります。
歯周内科による除菌作業が一旦終わっても気を抜かないで下さい。
歯周内科について気になる方は専門医に一度ご相談下さい。
舌がしびれる?舌痛症とは
みなさんの中には舌痛症(ぜっつうしょう)って聞いたことがある人はいますか?
名前の通り、舌が痛くなったり、しびれたりする原因不明の病気です。
今回は舌痛症についてお話しします。
舌痛症の症状
舌痛症の最大の症状は舌の痛みです。ヒリヒリ、ピリピリ、しびれる感じがするといった痛みが舌に起こります。痛みは一日中続くわけではなく、起床時から寝る時まで痛みの波があります。寝る前に痛みがひどくなるという例も何件かあるようです。
また、痛みのある場所は同じ場所ではなく、場所が変わるのも特徴です。
このような症状があるにもかかわらず、他人がみると、舌の状態には異常がなく正常なので、なかなか理解してもらえない病気でもあります。また、何かに集中しているときなどは症状があまりでません。
舌痛症の原因
現時点では残念ながら原因ははっきりしていません。今のところ考えられているのは、日頃ストレスを抱えている時に発症しやすいといわれています。
舌痛症は過去に強いストレスを受けた精神ストレスのある人や、閉経した特に40歳以上の女性に多くみられると言われています。
そのため、ホルモンや自律神経の乱れとも関係しているのではないかといわれています。また、自分は癌だと思い込んでしまうがん恐怖症の人の中にも多いと言われています。
舌痛症の診断
他人からみても特に異常がない舌痛症。ではどのように判断するのでしょうか?
- 見た目は特に異常なく、さまざまな検査でも異常がない
- 舌に関係する口の中の病気もない
- 痛みは舌の表面が痛む
- 毎日2時間以上繰り返し痛みが続き、それが3か月以上ある
舌痛症の治療
舌痛症の治療は一般の歯科医院ではなく、歯科心療科などを掲げている病院でみてもらうようにしましょう。たいてい、心療療法や薬物療法などが行われます。
舌痛症の他にも舌に痛みが出る病気はたくさんあります。(口内炎、カビが原因のものなど)症状のある人は一人で悩まないで歯科医院や病院に相談してみましょう。
気付かないうちに歯ぎしり・食いしばり
最近肩こりがひどいなぁ~。朝起きた時なんだか顎が疲れたような感じがして違和感があるな、、、という方はいませんか?
原因は寝ている時や、普段気付かないうちに食いしばりをしているからかもしれません。
みなさんの中には、仕事などに集中している時や、テレビを見ているとき、また、小さいお子さんがいる方は授乳している時などに無意識に歯を食いしばっていたり歯ぎしりをしていたりている方がいるのではないでしょうか?
食いしばりや歯ぎしりがクセ全身に様々な症状がでてくるので注意が必要です。
また、自分では自覚症状はないのに、歯科医院などを受診した際に指摘されたという方も多いと思います。
口を閉じている時は上下の歯は接触していると思っている方が多いかと思いますが、実は通常私たちの上下の歯は食事などで物を噛んでいるとき以外接触していないものです。
上下の歯は普段は1~2ミリほど離れています。
食事中に歯が接触するといっても瞬間的なことなので、接触している時間を計っても一日5分から10分程度です。
食いしばりや歯ぎしりのクセがある人は長時間無意識に強い力で歯に負担をかけているわけですからいろんなところに症状がでてきます。
食いしばりの原因
・ストレス
ストレスがかかると食いしばってしまう方がいます。
・力仕事
重いものを持ち上げたりする時、食いしばる事で最大限の力をだすことができます。
・スポーツ
重いものを投げたり、持つスポーツはもちろんですが、ラグビーやサッカーなど強くぶつかるスポーツや、陸上など早く走るスポーツなどでも食いしばりをしてしまいます。
・寝ている時
寝ている時無意識に食いしばりをしてしまう方がいます。
・集中している時
集中したり緊張をしている時に食いしばりをしてしまうことがあります。
・口臭
口臭を気にしている方の中には口臭がしないように、口を閉じようとします。そのため食いしばってしまうというケースです。
歯ぎしりの原因
・ストレス
食いしばりどうようストレスによって歯ぎしりをしてしまう方がいます。
・かみ合わせが悪い
かみ合わせが悪いと寝ているときなどにその部分をかみ合わせてしまうことで無意識に歯ぎしりをしてしまうということがあります。
その他にも睡眠障害など様々な原因があります。
食いしばりや歯ぎしりででてくる症状
・頭痛・肩こり
ずっと歯に負担をかけることで、筋肉が緊張し頭痛や肩こりを引き起こします。
・歯をすり減らす
歯ぎしりをすることで歯がだんだん削れていきます。酷い状態になると歯の表面が削れ、歯の根が露出することで外からの刺激が伝わり痛みがでたり、しみたりします。
・歯周病の進行
歯に負担がかかるため、歯の根元が炎症を起こしたり、歯を支える骨も悪くしてしまいます。
治療法としては、噛み合わせを正しくすることや、マウスピースなどを使って歯の負担を減らす事などで治療していきます。
気になる方は一度歯科医院で診察してもらってはいかがでしょうか?
子どもが歯磨きを好きになる方法
小さなお子さんがいるお母さん、お父さんの大変な仕事の一つに子どもの歯磨きがあるのではないでしょうか?
歯磨きが好きなお子さんであれば、良いのですが、歯磨きが嫌いで無理やり歯磨きをしている、歯磨きをさせるのが大変、苦手意識をもっているということをよく聞きます。
では、子どもに歯磨きを好きになってもらうにはどうしたらよいのでしょう。
離乳食を食べるようになったころから歯磨きを!
歯が少し生えてきたら歯ブラシに慣れるために、指にガーゼを巻き、水を少しつけて拭いてあげましょう。最初から歯ブラシをお口の中にいれてしまうと、赤ちゃんもびっくりしていまいます。また、飲み込み防止リングが付いた、赤ちゃん用の歯ブラシを持たせてみるのもいいかもしれません。
お母さん、お父さんの歯ブラシ姿を見せる
子どもの前で楽しく歯磨きをしている姿をみせることで、子どもも歯ブラシは楽しいんだ!と思ってくれます。一緒に楽しく歯磨きするのもいいですね!
歌を歌いながら歯磨き
歌を歌いながらやることでとても楽しく歯磨きすることができます。
の歯磨きコーナーで流れる歌などを歌ってあげると歯磨きしやすいかもしれませんね。
子どもの好きなキャラクターのついた歯ブラシを使う
ドラックストアなどで売られている市販の歯ブラシにはいろいろなキャラクターがついた歯ブラシを販売しています。子どもの好きなキャラクターの歯ブラシを使い、○○と一緒に歯磨きしよう!と誘ってみましょう。
仕上げ磨きは子どもに歯ブラシを!
お子さんが歯ブラシをうまく使う練習にもなります。自分でやりたがるようなら自分でやらせて、その後お母さんやお父さんがしっかり仕上げ磨きをしてあげてください。
子どもは初めからきちんと歯磨きができるわけではありません。お口の中で歯ブラシを動かす事が出来ただけでも「すごいね!」「上手だね!」と褒めてあげましょう。
むし歯や歯肉炎などがない健康なお口を保つ為にも、お子さんと一緒に楽しく歯磨きしましょう。
頭痛の原因は虫歯?!
みなさんお口の中はキレイに衛生管理できていますか?虫歯はあるけど歯医者に行くのが面倒と思っている方もいると思います。
その虫歯。ただの虫歯と軽く考えてはいけません。
虫歯があって痛いなぁ~と思っていたら頭まで痛い。という経験をされて困っている方も多いのではないでしょうか?そうなんです。虫歯は放置する事で頭痛を引き起こす可能性があります。
頭痛は体のどこかに不調があると起こります。そのため、虫歯からだけではなく、歯ぎしりや親知らずでも頭痛が起こります。
ではどうしてそのようなことがおこるのでしょうか。
【虫歯からくる頭痛】
虫歯が進行して神経まで達すると強い痛みがでます。そのため、虫歯菌が血液から全身に巡り、脳に入る事で脳梗塞などを引き起こす可能性があります。それが原因で頭痛を起こすことがあります。
【噛み合わせが原因の頭痛】
虫歯などで歯を抜いた時、ブリッジやインプラントなどを使わず抜きっぱなしにしておくと前後の歯が倒れてきたり、噛み合う歯が伸びてきたりしてかみ合わせのバランスが崩れます。そのため、顎の筋肉などに負担がかかり頭痛を引き起こす可能性があります。
【親知らずが原因の頭痛】
親知らずが真っ直ぐ生えていない人は要注意です。親知らずが斜めに生えていて、しっかりお口の中の清掃ができていないと、親知らずの周りの歯茎が炎症を起こしたり、痛みが出たり、膿がでることがあります。
膿が顎の奥まで入り込み痛みとなり頭痛を引き起こす事があります。このような場合は、抜歯をオススメします。
【歯ぎしりや食いしばりが原因の頭痛】
歯ぎしりや食いしばりがあると、顎の筋肉が緊張して肩こりを起こしたり、側頭筋が緊張し続ける事で頭痛を引き起こします。歯ぎしりや食いしばりのクセがある方は、自分自身で食いしばらないように注意し、歯医者さんに相談してみましょう。
その他にも頭痛の原因には顎関節症が関係していたり、脳腫瘍や脳梗塞を発症している場合がありますので、気になる症状のある方は早めの受診をオススメします。
高齢者口腔ケアを知ろう!
高齢化が進んでいる今、高齢者へのお口の中のケアはきちんとできているでしょうか。
今回は高齢者の口腔ケアについて詳しく説明していきます。
高齢者のお口の中には年齢を重ねるにつれて変化が出てきます。
どんな変化がでるの?
お口が乾燥する
年齢を重ねることでお口の中の唾液の分泌量が減少します。
お口の中の乾燥の原因は様々ですが、お薬を飲んでいる方は薬の副作用でさらに唾液がでにくくなるとがあります。
お口が乾燥することで、口の働きや感覚を低下させることがあります。そのため、上手く話せない、よく噛めない、味覚が感じられないなどの症状がでてくることもあります。
また、唾液が出にくくなることでお口の中の粘膜に傷がついたり、炎症をおこしたりすることもあります。
自浄作用の低下
みなさんのお口には、ご自身の働きでお口の中の清掃性を高めるために自浄作用という機能があります。自浄作用とは、歯の表面や舌、粘膜についた細菌や汚れを唾液の力で洗い流すことでお口を清潔に保つ働きです。
上記のように高齢になるにつれて、唾液の分泌が低下します。そのため自浄作用もうまく働かないことにつながります。
また、麻痺があったり、運動機能に問題があるとお口の機能が十分に発揮されないため自浄作用も低下します。
食べ物が口の中に残りやすくなる
高齢者や、要介護者の中には、食事の際にとろみ剤をいれて食べやすくしたり、食べ物を細かくしたりすることで食べやすくしている方もいます。しかし、とろみをつけることで粘り気が強くなり、お口の中に長時間停滞しやすくなります。
また、細かくすることでお口のなかや、歯の隙間、舌の下などに食べ物が残りやすくなります。自浄作用がうまく働かないために、口腔内の環境が悪くなり、歯周病や虫歯など様々な病気を引き起こす可能性があります。
口腔ケアの仕方とは?
まず、ご自身のお口に合った歯ブラシを使用し、お口全体を丁寧に磨きましょう。それができたら、歯間ブラシなどの補助用具をつかってさらにきれいに磨きましょう。また、唾液の分泌が少ないと感じている方は唾液腺マッサージをして唾液の分泌を促しましょう。
例)耳下腺のマッサージ
耳の下あたりの頬の部分に手を当て、上の奥歯からまえに向かって回すようにマッサージする。また、よく噛んでお口の筋肉を使ったり、にっこり笑って顔の筋肉を動かしてあげることもよいでしょう。
定期的に歯科検診を受けることもおすすめします。
ミントタブレットは口臭には効かない?!
みなさんの中には日々口臭で悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
人と話をするときなど、口臭があるととても気になりますよね。
そのため、口臭が気になるな?でも外出先で歯磨きなどもってないし。
という方は、コンビニなどに立ち寄り、ミント系やメンソール系のさわやかな香りのするタブレットを買って食べたりする人もいるのではないでしょうか。
ミントは口臭を強くしてしまう?
口臭をなくすために食べたのに、逆に口臭を強くするとしたらどう思いますか?
実は、ミントを食べることで、お口の中の唾液が一時的に出にくくなってしまい、唾液の分泌が下がってしまうそうです。
そのため、お口の中が乾燥してしまうそうです。
口臭には、さまざまな原因がありますが、その中でもお口の中の乾燥からくる口臭についてお話しします。
お口の中が乾燥し、ドライマウス状態(お口の中がネバネバするなど)になると口が臭くなると言われています。
わかりやすい例でいうと、朝起きたときに口がネバネバして気持ち悪いですよね。その時に口が臭いと言われる人もいるのではないでしょうか?
口臭を予防するためにはどうしたらいいの?
口臭を予防するためには唾液を分泌させることが重要です。
固めなガムを食べると、噛む作用により唾液の分泌が促されます。味は柑橘系のレモンなどを選ぶとよいでしょう。
また日々生活をするなかで、うめぼしやレモンなど酸味の強いものを意識的に摂ることも唾液の分泌促進につながります。
うめぼしなどを想像しただけで唾液がにじみ出てきますよね!
そのほかにも唾液の出る線→唾液腺をマッサージするのもよいかもしれません。
お口の中の乾燥が悪さをするのは口臭だけではありません。
お口の乾燥は歯周病や虫歯になりやすくなったりしますので、ぜひ、身だしなみだけでなく、お口の中も気にしてみましょう。
子供を虫歯にしないためにやるべきことは
お子さんがおられるお母さんたちは子供が虫歯にならないためにはどうしたらいいのだろうと考えたことがあるのではないでしょうか?
みなさんよく知っているように、生まれたての赤ちゃんのお口の中には虫歯菌はいません。
どこから虫歯菌に感染してしまうの?
実は大人の唾液から子供に感染しています。
そのため、“大人が口をつけたスプーンで食べさせない”“子供にキスをしない”“回し飲みなどしない”と虫歯菌を感染させないように努力しているお母さんも多くいるのではないでしょうか?
子育てを経験しているお母さんならわかるかもしれませんが、実際やってみるとできないものですよね。子供の中には、大人が食べていたものをほしがり泣いてしまったりする子もいます。大人が食べていたものを与えることでも感染のリスクがあります。
また、熱い食べ物を食べさせるとき、フーフーして温度を下げてから与えますよね?それだけでも虫歯菌が感染する可能性があります。
読んでいただいてわかるように、虫歯菌に感染しないようにすることは不可能に近いことがわかります。?
虫歯菌に感染しないようにする予防方法はあるの?
まず、お母さんやお父さん自身のお口の中の虫歯菌の数を減らしましょう。
お口の中の健康は体の健康にもつながります。しっかり歯磨きをして子供の見本になるようにしましょう。また、現在口の中に虫歯がある場合は歯医者さんに行き治療してリスクを減らしましょう!
そのほかにも、食事の回数やジュースなどを飲む回数により虫歯のリスクが高まります。
決めた時間に、決められた分だけ食べるなど習慣をつけるのもいいかもしれませんね。だらだら食べ続けたり、間食が多いとお口の中がいつまでたっても酸性にかたむいたままです。
歯磨きをしたらしっかり仕上げ磨きをしてあげることも大切です。
小さいうちは一人で細かく磨けないので親がしっかり管理してあげましょう。また、フッ素を定期的に塗ったり、フッ素入りの歯磨き粉を使ったりすることもいいかもしれません。
子供のお口の健康を守るためにも親も一緒にがんばりましょう!!
歯周病~見直そう生活習慣~
歯周病は生活習慣病とも言われています。
その歯周病の改善の為には、生活習慣の見直しも必然的に必要になってきます。
食生活の改善
食生活の見直しは、歯周病に限らず何らかの病気を抱えている方、また健康な身体を維持、継続する為にも食生活は非常に重要となります。
特に歯周病の原因菌は糖分をエサに増殖していくので、糖分の多い食事は歯周病のリスクが高くなります。
また歯周病は糖尿病とも深い関わりがあり、共に悪化させる相互作用があります。
ですから、糖尿病になりやすいような高カロリー、高脂肪、また塩分糖類が多く含まれている食事は避けましょう。
この食べ物を食べれば歯周病が治る!といったものはありません。1日3回規則正しく、栄養のバランスのとれた食生活を心がけることが大切です。
睡眠とストレス
睡眠は脳を休ませる為に必要不可欠なもので、生命維持の為には大きな役割を果たしています。睡眠不足になると身体の免疫力が落ちます。
免疫とは、文字通り「疫(すなわち病気)を免れる」という意味で、私たちの身体はこの免疫のおかげで様々な病気から守られています。
免疫力の低下は細菌感染しやすくなる=歯周病原菌に感染しやすくなるということになり歯周病のリスクが高くなります。
また睡眠不足はストレスの原因にもなり、身体に様々な悪影響を及ぼします。
ストレスも免疫力の低下を招き、さらにストレスによる歯ぎしりや、歯を強く噛む食いしばりが歯周病の進行を早めてしまうこともあります。
現代人は忙しい毎日を送っており、睡眠不足になりやすくストレスも溜まりやすいと思いますが、健康な身体を保つ為にも十分な睡眠とストレスを溜め込まないように心がけることが大切です。
禁煙
煙草を吸っている人は吸わない人に比べて2~7倍も歯周病になるリスクが高いのです。
さらには、煙草を吸うと血行が悪くなり、歯周病を悪化させる原因になります。
歯周病を予防し、完治させたいのであれば禁煙は避けて通れない道なのです。
適度な運動
運動不足と歯周病はあまり関係のないように思えますが、運動不足だと血行が悪くなります。
歯肉を通る血管の血流も悪くなり、衰えた歯肉は歯周病の進行を早めます。
また、適度な運動は身体の抵抗力を高めます。ですから間接的に歯周病予防に繋がります。
以上のように生活習慣を改めることにより歯周病を予防する事はもちろん、歯周病治療後の再発や悪化の予防にもなります。
生活習慣の見直し、規則正しい生活が健康への第一歩かもしれません。
Tooth Fairy(歯の妖精)~Tooth Fairyプロジェクトについて
皆さんは歯の妖精のお話をご存知ですか?
西洋では昔から、子供の乳歯が抜けると、その乳歯を袋に入れて枕もとに置いて眠ると、Tooth Fairy (歯の妖精)が抜けた歯を集めに来てくれるという言い伝えがあります。
Tooth Fairyは、お礼にコインやプレゼントを置いていってくれ、子供達は、このプレゼントをとても楽しみに眠るそうです。
この儀式は、生え変わる永久歯が丈夫でありますように、との願いが込められています。
今も、昔も歯を大切にすることは変わらなく続いているのですね。
Tooth Fairyプロジェクトって?
日本では現在、2009年6月より日本歯科医師会×日本財団によって、Tooth Fairyプロジェクトという活動が推進されています。
これは、この活動に共感した歯科医師が、患者様の協力により集めた金属をご寄付いただくことにより進めています。
本当に支援を必要としている子供たちへ、「夢」や「希望」をプレゼントする「歯の妖精」となるのです。
歯科治療において、外した金属や入れ歯を集めてリサイクルします。
これらの金属は、金やパラジウムなどを含んでいて、子供達を支援する大切な資金となります。
Tooth Fairyの活動内容
活動内容としては、「Tooth Fairy学校建設プロジェクト」とし、経済発展厳しいミャンマーにて子供達の学びたい気持ちに応えるべく学校建設を進めています。
また、「Tooth Fairy小児がん・難病支援プロジェクト」では、重い病気と闘う子供とその家族を応援する二つの「日本初」を進めています。
日本初の小児ホスピス「海のみえる森」と日本初の小児がん専門施設「チャイルド・ケモ・ハウス 夢の病院」を推進しています。
(Tooth FairyプロジェクトHPより抜粋)
このプロジェクトの参加歯科医院は2013年09月19日現在、5400医院以上で、換金総額も604,379,892円を超えています。
本当は恐ろしい病気 骨粗鬆症と歯周病の関連性について
昨今の健康ブームに乗って新聞やテレビ、インターネット等で様々な情報が入ってきます。
なかでも骨粗鬆症は、最近健康を気遣う更年期の女性の方から、特に関心のある話題のようです。
現在日本では骨粗鬆症の方が、推定約1.100万人以上いると言われています。
そして、その約90%が女性で、75歳以上になると半数以上が骨粗鬆症になります。
骨粗鬆症って…?
骨粗鬆症とは、骨の形成と吸収のバランスが崩れることによって骨量が減少し、骨組織の微細構造が弱くなり骨強度が減少する病気です。
骨粗鬆症が直接生死に関わる恐ろしい病気の様に感じない方も多いと思います。
ですが、骨粗鬆症により背中や腰が痛くなったり、曲がったりして、ひどくなると骨折をおこして寝たきりになってしまいます。
寝たきりになると5年生存率は約50%と高く、決してあなどれない病気なのです。
骨粗鬆症は年齢と共に進行すると言われています。
特に女性の場合は閉経後にその進行が著しく、男性と比べても大きな骨密度の減少を示します。
この原因は女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少と関連すると考えられています。
カルシウムが大切?
骨粗鬆症は一口でいうとカルシウム不足が原因で起こる病気なので、予防には積極的にカルシウムを摂取することが望ましいと言われています。
カルシウムの1日の理想摂取量は600mgです。
また、閉経後や妊娠中・出産後には800mgの摂取が推奨されています。
骨粗鬆症と歯周病は一見無関係のように思われがちですが、実は密接な関係にあるのです。
骨粗鬆症やエストロゲンの分泌低下、カルシウムの摂取不足が直接歯周病を引き起こすことはありませんが、歯周病を悪化させる要因の一つになるのです。
なぜなら、骨粗鬆症によって骨がスカスカになることは、身体全体に言えることなので、当然口の中の骨の量も少なくなるのです。
歯周組織の骨がスカスカになっていれば、歯周病によってさらに骨を溶かすことはたやすい事です。
したがって、骨粗鬆症の方は歯周病になりやすく重症化しやすのです。
現在、骨粗鬆症の簡易検査を行える歯科医院も増えており、歯科定期検診が骨粗鬆症の早期発見につながります。
歯周病も、骨粗鬆症も痛みもなく気づかないうちに病気が進行します。
そして重症化してからでは取り返しがつかないのです。
全身状態の健康維持のためにも、定期的な歯科検診を受けましょう。
二重あごの原因は噛み合わせだった?!
二重あご=太った人。というイメージがある人がほとんどだと思います。
しかし、体は痩せているのに二重あごになっている人を見たことがある、または周りにいる人がいるのではないでしょうか?
実は二重あごの原因は太っている事だけではないのです。肥満とは何ら関係のない二重あごもあります。噛み合わせが原因で二重あごになることがあります。
二重あごは咬み合せが原因?
噛み合わせで重要となるのが、「顎の位置・顎の筋肉・歯」です。この中の一つでも問題があると噛み合わせが悪くなります。
二重あごはその中でも、顎の筋肉に関係してきます。あご周りの筋肉が衰える原因の一つに、「早食い」があります。
噛み合せが悪くなる事で顎の筋肉のバランスが悪くなり、筋肉が弱まり、衰えます。その結果顎の位置が下がったり、リンパの流れが悪くなることで二重あごになる可能性があります。
咬み合わせで影響がでてくるものは?
噛み合わせで影響がでてくるのは二重あごだけではありません。
顎関節症
噛み合わせが悪いと噛むたびに顎がずれて顎関節症になる可能性があります。
口を開けると音がする、口が大きく開かない、顎の周辺に痛みがあるなどの症状がある方は受診するようにしましょう。
頭痛
噛み合せが悪いと首の後ろや頭の筋肉がこり、血流が悪くなることで頭痛を起こす人がいます。
姿勢
噛み合せが悪いと全身のバランスをとろうとして姿勢が悪くなります。
では一旦話は二重あごに戻り、噛み合わせからくる二重あごを治すにはいったいどうしたらよいのでしょうか。
2011年12月3日の世界一受けたい授業(日本テレビ)
で紹介されていたストレッチの方法を紹介します。
二重あごを治すストレッチ方法
<ベロ回し運動>
- 唇を閉じたまま、舌の外側を大きく回す
- 2~3秒かけて1回まわすくらいのペースで、右回り×25
- 同じように左回り×25
これを朝昼晩1日3回行いましょう。
<ベロ押し体操>
舌の先端で上顎の歯茎を20秒間押す。力いっぱい押すのがポイントです!
この体操を「1日トータル3分」を目標に行います。
これらの2つの運動をする事で筋肉が鍛えられ、噛み合わせは改善し、二重あごもスッキリしてくるそうです。もちろん1回やっただけでは効果はでません。毎日行う事が大切です。
興味のある方は一度試してみてはどうでしょうか。
歯ブラシは細菌の住みか?!
みなさんが毎日何気なく使っている歯ブラシ。実はこの歯ブラシに付着している細菌の多さを知っていますか?
歯ブラシは一度の使用で細菌の数が便器と同じぐらい増殖すると言われています。便器と同じくらいの細菌を口の中に入れると考えただけでゾッとしますよね。
イギリスのマンチェスター大学の調査では、歯ブラシに付着している細菌数はなんと1億個以上という結果がでたそうです。
しかし、人の口腔内にはもともと沢山の細菌が生息しています。そのため神経質になりすぎる必要はありません。それでも、細菌がたくさんいる歯ブラシで歯を磨くのは気分的に嫌ですよね。
では、歯ブラシはどのように管理していけばよいのでしょうか。
歯ブラシの管理方法
・ 使用した歯ブラシはしっかり洗う
歯ブラシの毛の部分に食べかすなどが残っていると、腐敗し、細菌が増殖します。
・ 歯ブラシは使用したらしっかり乾燥させる
濡れたままの歯ブラシは細菌が繁殖しやすくなります。携帯用歯ブラシを使用する人もしっかり歯ブラシを乾燥させてからケースに入れるようにしましょう。
・ 歯ブラシの使いまわしはしない
恋人や家族などと同じ1本の歯ブラシを使いまわすのはやめましょう。歯磨きを共有する事で、他人のもっている細菌を自分の口の中に入れる事になり、病気や感染症のリスクが上がります。
・ 歯ブラシを置く場所は清潔に
歯ブラシホルダーや歯ブラシを立てているコップなども清潔に保ちましょう。また、複数の歯ブラシを1つのコップで保管する場合もブラシの毛先が触れ合わないようにしましょう。歯ブラシが触れ合って立ててあると他人と歯ブラシを共有しているのと同じになります。
・ 歯ブラシは月に1回の頻度で交換が理想
歯ブラシの毛先が広がっている場合などはもちろんですが、歯ブラシに問題がないように見える場合でも長期間使用することで沢山細菌が付着しています。
そのため1ヶ月に1回のペースで交換するようにしましょう。
毛先が広がっている歯ブラシはプラークの除去率が低下します。また歯茎を傷つけることもあるので交換するようにしましょう。
・ トイレに置きっぱなしにしない
トイレには空気中に見えない細菌が飛び散っています。そのためそこから付着して細菌が増えます。歯ブラシはできるだけトイレから離れた場所で保管するようにしましょう。
この他にもブラッシング後に殺菌効果のあるマウスウォッシュなどを使用するのも良いかもしれませんね。
毎日使用する物だからこそしっかり清潔に管理するようにしましょう。
知っておこう!花粉症と口内環境!
冬の寒さもだいぶ和らいできたこの時期。もうすぐ暖かい春がやってきますね!
春といえば入学式やお花見・新しい事のスタートなど楽しいことがたくさんありますが、この時期花粉症に悩まされている方が多くいるのではないでしょうか?
花粉症を簡単に説明すると、ヒノキやスギなどの植物の花粉が原因となり、くしゃみや目のかゆみ、鼻水などのアレルギー症状がでる病気です。
この花粉症という病気ですが、アレルギー症状だけでなく、お口の中にも注意が必要だということを知っていましたか?
花粉症と口内環境にはどのような関係があるのでしょうか。
粉と口腔内の環境にはどんな関係がある?
お口の中は健康な場合、唾液で満たされています。
この唾液はただお口の中の乾燥を防いでいるだけではありません。
唾液には抗菌・洗浄の作用や、歯周病や虫歯の予防の役目もあるのです。
また、再石灰化にも重要な存在です。
しかし、その重大な役目をしている唾液が花粉症の薬によって減ってしまうというのです。
(※全ての薬ではありません)
花粉症の薬には唾液の分泌を低下させる成分が入っているものが多くあるため、花粉症の症状は治まってもお口の中は乾燥してしまいます。
また、花粉症の症状である鼻水は鼻が詰まるとどうしても口呼吸になってしまいます。
そのため、お口の中が乾燥しカラカラになってしまいます。
お口の中の唾液が減り、乾燥状態が続く事でお口の中の細菌が増殖しやすくなります。
歯の周りにはプラークが付着しやすくなり、その状態のまましっかりとした歯磨きをしないと磨き残しが増え、歯石になります。
歯石になってしまうと歯ブラシでは落とす事が出来ません。
このように、や細菌が増える事で歯周病や虫歯になるリスクが高くなります。
花粉症の人はどのようなことに気をつけたらいいの?
では花粉症の人はどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
・ お口を乾燥させないように水分をしっかり摂取する
・ 歯石などを作らないようにこまめに歯磨きを行う
・ ガム(キシリトール入りのも)などを噛んで唾液の分泌を促す
このように花粉症の人は特に口腔内のケアをきちんと行うようにしましょう!
虫歯があると宇宙飛行士にはなれない?
みなさんの中には、虫歯になると宇宙飛行士になれないと思っている方が多いのではないでしょうか?
確かに虫歯があると宇宙飛行士にはなれません。しかし、虫歯があってもしっかり治療をしていれば問題ありません。
なぜ虫歯があると宇宙飛行士になれないのでしょうか?
宇宙で作業するとき宇宙服の中の気圧は約0.3気圧まで減圧されます。
スペースシャトル内と同じ1気圧のまま船外にでてしまうと、気圧の差で宇宙服が膨れ上がってしまい、指や手、足などが曲がらなくなり作業ができなくなってしまいます。
そのため、0.3気圧まで減圧した環境で作業を行うということです。0.3気圧まで減圧したときに、お口の中に虫歯や治療が途中な歯があり空洞などができていると、中の空気が膨張して内側から歯を圧迫するため痛みを生じる場合があります。
その後、詰め物の隙間などから空気が入ることで周囲と同じ気圧になります。同じ理由で戦闘機などのパイロットも虫歯の治療をしていないと操縦する事ができないそうです。高い山などに登った時も気圧の変化で歯に痛みが出たりすることがあります。
このように、気圧の差がある環境で作業をする時は注意が必要です。
もし宇宙で歯が痛くなってしまったら?
まず痛み止めを服用します。
宇宙船の中で歯を削ったりする治療が出来ればよいのですが、歯を削る器械はありせんし、もしあったとしても、削った粉や水分などが飛び散るので大変な事になってしまいます。
痛み止めを飲んでも痛みが取れない場合は、医師の指導の下他の宇宙飛行士が歯を抜く可能性があるそうです。
治療行為は本来国家資格をもつ医師にしか許されていません。しかし、特別に宇宙飛行士に限り治療行為が許されているそうです。もちろん事前に歯を抜く訓練などを受けています。
このように、虫歯があるまま宇宙に飛び立ってしまうと大変な事になります。そのため、打ち上げの前に虫歯がないか、悪化しそうな歯はないか、治療が不十分な歯はないかなどしっかり検診します。
虫歯にならないためにも、普段から歯磨きをしっかりし、お口の中の健康に気をつけましょう。
電動歯ブラシのメリット・デメリット
みなさんは、電動歯ブラシを使用していますか?
それとも、普通の手用の歯ブラシを使用していますか?
ここ数年で電動歯ブラシは安く購入する事ができるようになり、とても普及してきました。
今ではたくさんの種類の電動歯ブラシが販売されています。
音波振動と超音波心動と電気振動の種類があります。
音波振動と電気振動は歯ブラシが動きますが、超音波歯ブラシは歯ブラシの毛先がほとんど振動していません。
手用の歯ブラシと同じように使います。音波振動と電気振動の歯ブラシは当てるだけになります。
電動歯ブラシのメリット・デメリットについてお話します。
<メリット>
・ゴシゴシと左右に手を動かさなくて良い
手用の歯ブラシは、歯磨きをするときに手を左右に動かし、ゴシゴシ磨く事で汚れを落とします。しかし、電動歯ブラシは、歯に当てるだけで歯ブラシ自体が振動して磨いてくれるので動かさなくても磨けます。
・短時間で磨ける
手用の歯ブラシよりも短時間で磨くことができます。
超音波歯ブラシや、音波歯ブラシは、1秒間に振動する回数が多く、虫歯の原因となるプラークを除去する能力が高いということもメリットの一つです。
<デメリット>
・刺激が大きい
振動の刺激によって歯ぐきや歯を痛めてしまうこともあります。
電動歯ブラシを使う時に力を入れすぎてしまい歯ぐきや歯を傷つけてしまっては逆効果になります。
お年寄りや子どもが電動歯ブラシを使っている場合、お口の中が傷ついていないかチェックしてあげるのも良いかもしれません。
最近では、歯への力のかけすぎ(押しすぎ)防止機能のついた電動歯ブラシや、歯ぐきのマッサージ機能がついたもの、磨いている時間が分かるようにタイマーのついたものがあるようですので、自分にあった電動歯ブラシを選ぶようにしましょう。
電動歯ブラシを使用する際は基本のブラッシングが重要となります。電動だからといって、歯磨き自体が雑になってしまっては逆効果です。電動歯ブラシに頼りきりにならないようにしましょう。正しいブラッシングで清潔な口腔内を保ちましょう。
今、手用歯ブラシを使うか、電動歯ブラシを使うか悩んでいる方は、電動歯ブラシのメリット・デメリットを知った上で、どちらの歯ブラシを使うか考えてみて下さい。もし分からない事などがあれば一度歯科医院に相談してみましょう。
赤ちゃんのよだれ
赤ちゃんは4ヶ月頃からよだれがよく出始める傾向にあります。
これはどうしてでしょうか?
赤ちゃんはなぜよだれがでるの?
1.歯が生え始める
個人差はありますが、だいたい生後6ヶ月頃から下の前歯が生え始めます。
歯が生えることが刺激となりだ液の分泌を促進していると言われています。
2.口で確かめる
この時期の赤ちゃんはなんでも口に持ってきて確かめたり、噛んだりするため、それが刺激となりだ液の分泌を促進します。
3.食事への関心
6ヶ月頃から離乳食を始める方も多いのではないでしょうか?そのため食事への意欲や関心がだ液が出ることと関係しています。食欲がある証ですね。
だ液の量が多くて大丈夫?
だ液の量が多いと心配になるお母さんも多いのではないでしょうか?しかし、大丈夫です。だ液の量が多いことで自浄作用が働き、口の中を清潔に保つことができます。虫歯の予防にもなります。
だ液の量が多いことでより健康的と言えるかも知れませんね。
良い点ばかりではありません。
だ液の量が多いと・・・?
1、だ液の量が多くて服が汚れる
歯が生え始めの赤ちゃんはだ液がたくさん出てきても口の中に溜まっただ液を飲み込むことができません。そのため、お口の中からあふれただ液がよだれとなり口から出たり服を汚したりします。よだれがでているということは成長の証です。
この場合、スタイなどをこまめに変えてあげましょう。
2、口の周りが赤くなる
よだれには消化酵素などが含まれているため、お口の周りや肌についたよだれをそのままにしておくと赤くなったり、ただれたりと肌荒れの原因となります。気付いたら拭いてあげるようにしましょう。
酷い場合は小児科を受診するようにしましょう。
だ液の原因には他にも鼻が詰まっていて口呼吸になっていたり、お口の中に炎症などがある場合があります。
お口の中をよく観察してみるのも良いかもしれませんね。
歯ぐきが下がってきた!?
みなさんも鏡を見た時に最近歯ぐきが下がってきたような・・・
と感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
歯ぐきが下がることを歯肉退縮といいます。
歯肉が退縮することによって見た目(審美性)が悪くなります。
また、歯肉退縮によりセメント質(歯の根っこ部分)が露出することで、根面カリエス(虫歯)になりやすくなります。
他にも、知覚過敏になる方もいます。
では歯肉退縮の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
歯肉退縮の原因
・ 歯周病
歯周病になると骨が溶かされて歯肉が退縮します。
また、歯肉炎などの腫れた歯肉が治って歯肉が引き締まることで歯が長く見えたりします。
・ 誤った方法での歯磨き
例えば、硬い毛の歯ブラシで力強くゴシゴシ歯磨きをしていると歯ぐきが傷み退縮してきます。
また、癖で歯磨きをしている時に一部だけ強くあったっていたりするとその部分の歯肉が退縮してきます。
その他にも電動歯ブラシの使用で歯肉退縮を起こすこともあります。
・ 歯科の外科的治療
歯周病などが原因で歯肉の切開手術をした場合薄い歯肉や骨の部分は退縮を起こします。
・ 歯並び
例えば、歯列から離れたところに生えている八重歯などは歯肉退縮を起こしやすい部位になります。
・ 加齢に伴う歯肉退縮
年齢が高くなるにつれて歯肉退縮が起きてきます。
しかし、この場合は特定の部位だけでなく全ての歯に均等に歯肉退縮が見られます。
歯肉退縮の治療
1.歯周病などにならないよう予防すること。
定期的に歯科医院に通い、定期検診を受けたり、クリーニングしたりするようにしましょう。
また、家ではしっかり歯磨きをしてホームケアするようにしましょう。
2.正しい歯磨き
歯周病や虫歯になるのが心配だからといって過度の歯磨きをするのは、逆に歯肉退縮を起こしてしまいます。一本一本細かく汚れを落とすように磨くようにしましょう。
力の入れすぎには注意が必要なので、分からなければ近くの歯科医院に磨き方を教えてもらうのもいいかもしれません。
3.歯並びが悪い人
歯並びが悪い人で歯肉退縮を気にされている方は矯正治療を行っている歯医者に相談してみましょう。
4.様子を見る
外科治療など、治療直後の場合はしばらく様子をみてみましょう。クリーピングが起こる場合があります。
※ クリーピング:歯肉が自然に回復すること
このように人それぞれ原因などは違いますので、気になる方は一度歯医者へ相談にいくとよいでしょう。
また、歯肉退縮していないかなど鏡を見て観察して自分のお口の中をよく知っておきましょう。
歯ぐきの裏側にこぶ?
みなさんのお口の中を見たとき、歯茎の内側(舌側、口蓋)にぼこぼこっとこぶのようなものがある方はいませんか?
このこぶの正体は、“骨隆起”という骨の塊です。これは、顎の骨が過剰に発達することでできます。
骨隆起は、長年にわたり少しずつ大きくなります。そのため、気付いた時にはこぶが!!とびっくりする方もいます。
見た目はこぶのようなものなので、腫瘍ではないだろうか?
なにか悪いものなのではないのだろうか?
と思う方がほとんどだと思います。実際は骨の塊なので、とくに問題がなければそのまま放置しても大丈夫です。
骨隆起はなんでできるの?
原因としては、強い咬み合わせの力が顎の骨に伝わり、骨が過剰に発達するためといわれています。そのため、寝ている時の歯ぎしりや、食いしばり、無意識に長時間食いしばっている人は要注意です。
また、すでに骨隆起がある人は、このように食いしばりや歯ぎしりで強く咬合することで大きくなります。
骨隆起はどうしたらいいの?
骨隆起ができたらどうしたらよいのでしょうか。
骨隆起の原因といわれる歯ぎしりや食いしばりを軽減させるためにはマウスピースを作成することです。
しかし、それだけでは発達した骨をなくすことはできません。
骨を無くす為には骨隆起を除去する手術が必要です。
骨隆起があると、入れ歯を入れるのが困難です。
骨隆起自体は骨の上に薄い粘膜が一層覆っているだけなので、入れ歯を入れていると、骨隆起と入れ歯があたって痛みがあるなどの症状がでてきます。
このように、入れ歯で困っている方や、見た目が気になる方、発音に支障がでる方などは手術を考えてみるのもいいかもしれません。
手術は、骨隆起の大きさにもよりますが保険が適用されます。
入れ歯の問題だけであれば、手術のほかに、インプラントを入れるということも出来ます。
インプラントにすると手術をする必要はありませんし、骨隆起も邪魔になりません。
気になる方は、一度歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか?