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インプラントを失敗しないためにできること~医院編~
医院選択の3つのポイント
point1 歯周病のメインテナンスがしっかりしているか
インプラントは安定性・耐久性に優れています。しかし、これはしっかりとメインテナンスを行っていた場合の話。人工物なので虫歯になることはありませんが、連結部分に歯垢(プラーク)が溜まりやすく、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)になりやすいのです。
きちんと歯垢(プラーク)を落とす歯の磨き方を指導し、歯石除去を積極的に行うなど、歯周病対策に力を入れている医院かを確認して下さい。
point2 インプラントの実績がどれくらいあるか
どんな治療でも問題が発生する可能性はあります。インプラントの場合、1年以内と数年後に問題が起こることが多いことを考えると、10年以上の実績がある歯科医師を選択するほうが無難です。大学病院や大規模な歯科医院は多くの先生がいて患者さんにとって便利なこともありますが、
その反面、
・研修医や若い経験不足の先生に担当される場合がある
・派遣病院への移動(人事異動)が多く、担当医が替わってしまいがち。
・非常勤医師の場合、その先生が短期間でいなくなることがある。
といったことが付きまといます。
そのため、メインテナンスまで含めるとかなり長いお付き合いですので、経験のある担当医に決めることがよい、と思われます。
point3 メインテナンスのため、10年以上通院できる場所にあるか、担当の先生がいなくなってしまわないか
長年インプラントに携わっていると、他院でイプラントを植立された方から次のような相談をよく受けます。「インプラントは名古屋でやったが、通院に1時間近くかかるので、こちらで修理してもらえますか」「前の医院に行ったら担当の先生がいなくて、あとのことは近くの医院に行ってくださいと言われた」など、あとのメインテナンスに苦労されるが時々います。
インプラントの場合、20近くあるメーカーによって部品が違い、ネジの長さや直径もまちまちなので、他のメーカーのインプラントの修理はほとんどの場合困難です。例えてみると、日産の車が故障した時にトヨタの整備工場に依頼しているような感じです。何のトラブルもなくオイル交換だけで、ランプの修理もないような場合はよいのかもしれませんが、いざ部品交換となると難しいのではないでしょうか。
インプラントの場合、車検と違って2年に1回の義務ではありませんが、定期検診は3ヶ月に1回、最低でも1年に2~3回はクリーニングと共に必要です。治療自体は10回位ですので遠くても可能ですが、術後のメインテナンスのことを考えると1年に3~4回、10年以上は通える場所にあることと、担当医がその医院から長期間移動する心配がないことは重要です。
「インプラントの安全性について」はこちら>>
インプラントのメインテナンス
インプラントのメインテナンスとは…
「インプラントを入れた後、定期的に歯科医院に通う必要がありますか?」とよく質問されます。
答えは、「定期的な検診を強くおすすめします。」です。
インプラントは、虫歯になる心配はありませんが、インプラントの周りに長い間細菌が溜まっていたり体の免疫力がかなり下がったりすると、インプラントの周りに炎症が起きてしまいます。
そして、それを放置するとインプラントを支える骨が溶け、インプラントが抜けてしまうこともあります。
これは、学会での報告も多く「インプラント周囲炎」と言われています。
インプラントは治療後の定期検診が大切です。当医院では、末永くインプラントを使用して頂けるように継続的なメインテナンスプログラム(定期健診)をご用意しております。
定期検診、メインテナンスが必要な理由
(1)インプラントの周りの組織は、血液供給や代謝の面で天然の歯よりも感染などに対する防御力が弱いです。
その結果、一旦炎症が起こってしまうと急激に進行してしまうことがあります。
そのため、炎症などの異常があれば出来るだけ早期に見つけられる様に定期検診が必要です。
(2)天然の歯は「歯が骨にバネでつり下げられている」状態です。
インプラントは「骨と直接くっつけている」状態となります。
このため、天然の歯は何か問題が起きると歯が浮いてきたり、グラグラしてきて「その歯の危険」を歯が教えてくれますが、インプラントの場合は、かなり状態が悪くなるまで動かないため悪くなっていることに自分では気づきにくいのです。
その自分では気付きづらい異常は定期検診でしかわかりません。
(3)どんな人も、年を経るごとに歯がすり減ったりして咬み合わせの状態が変わってきます。
天然の歯は咬んだ時にわずかに沈むのですが、インプラントは咬んだ時に沈むことはありません。
この違いから、年を経る事にインプラントが天然の歯よりも少しずつ強い咬み合わせになっていくことがあります。
このため、定期検診ではインプラントの咬み合わせもチェックします。
(4)インプラントの周りは構造が複雑で、まめにお手入れしないと汚れが溜まりやすいです。
定期検診では、インプラントの周りの細かい汚れもしっかり洗浄し汚れがつきにくい状態に仕上げます。
インプラントは天然の歯と同じように咬むことができて、とても快適なものですがその構造は歯とは違います。
その複雑な構造のゆえに、定期検診・メインテナンスが絶対に必要です。
当院では、定期検診に来て頂けることがインプラントの保証条件です。
・ゴールド冠、シルバー冠 7年保証
・セラミック、ハイブリッド冠・前装冠 5年保証
保証期間のメインテナンス来院回数 | 保証内容 |
年2回以上 年1回以上術後1年間来院なし もしくは来院間隔が1年以上あいている場合 |
100% 75%50% |
2年以上来院なし | 0% |
定期検診で行うこと
問診
- 咬み合わせや歯肉の状態をチェック
- 痛み、違和感がないかなどの確認をします
歯磨き
- 歯磨きのチェック
- 歯磨き指導
- プラークが溜まっていれば歯のクリーニングを行います
当医院のメインテナンスプログラム
- インプラント安定期後4か月おき
- 引き続き定期的に治療、ケアに来て頂きます
※ホームケアに不安のある方はご相談ください。
インプラントの寿命は患者さんのお口の衛生状態によって大きく変化します。
定期検診が、インプラントの寿命を延ばすことに繋がります。ぜひ大切になさって日々の生活を豊かにして下さい。
※咬み合わせや歯肉に異常を感じなくても、定期検診を受けるようにお願いします。
※当医院で行ったインプラント治療には保証期間を設けていますが、この定期検診を受けて頂けない場合は、保証の対象外となります。
※歯肉の出血や腫れ、違和感、歯の欠けや揺れなど、お気付きになられた時は、定期検診時期に関わらずご連絡下さい。
保証書について
当院では、インプラント治療を終えられた方全てにインプラント保証書を発行しております。
内容といたしましては、インプラント上部により保証が異なります。
- ゴールド冠、シルバー冠 → 7年保証
- セラミック、ハイブリッド冠、前装冠 → 5年保証
※保証をきちんとさせていただく条件としまして、保証期間中のメインテナンスの来院回数により保証内容が異なります。
来院回数 | 保証内容 |
年2回以上 | 100% |
年1回以上 | 75% |
術後1年間来院なし、もしくは来院間隔が1年以上あいている場合 | 50% |
2年以上来院なし | 0% |
※保証期間内であっても、保証できない場合
- 患者さんの重大な不注意や不慮の事故など明らかに当院の責任でない場合
- 診療時に全く予期得ない口腔状態の変化による場合
- 当院の指示に従っていない状態での使用による場合
- 定期検診を受けて頂けなかった場合
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント歯周病になる場合があります。予防の為にもきちんとメインテナンスを受けて頂き、健全な状態を保つことをおすすめしております。
インプラントの歯が虫歯や歯周病になった時、どんな治療をしますか?
インプラントの歯が虫歯や歯周病になった時、どんな治療をしますか?
インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病の様な状態になることはあります。
それを「インプラント周囲炎」と言います。
「インプラント周囲炎」の治療について解説します。
インプラント周囲炎の治療方法
インプラント周囲炎の主な原因は、歯周病菌による炎症です。
基本的には、歯周病菌を減らし、炎症を抑えることが治療方法となります。
一般的な治療方法
(1)インプラントの周囲の汚れや歯垢などをしっかり取り除く
(2)お口に中全体のお掃除
(歯周病菌を減らす目的で、普段なかなか歯ブラシなどが届きづらい部分も、徹底的にお掃除します。)
(3)インプラントの周りに汚れが付きづらくなる様に、 ラバーカップやペーストを用いて研磨します。
(4)抗菌療法‥原因菌に対して有効な薬(抗生物質など)を直接インプラントの周りに届けます
(5)抗菌薬療法‥歯周病菌を減らしたり、炎症を抑えたりする目的で、飲み薬を服用してもらいます。
家庭でのケアー
(1)インプラントの周りを普段からしっかりお手入れできる様にその方法を再確認します。
(歯ブラシや歯間ブラシの使い方、その他音波ブラシ等を使用するかの相談など)
(2)上記以外に、うがい薬や必要に応じて抗菌用のトレー(3DSといいます)を家庭で使ってもらうかの相談
(3)全身の免疫力を上げるための相談
(4)たばこを吸っておられる方は、禁煙がおすすめです
インプラント周囲炎が、かなり進んでしまった場合の治療方法
(1)インプラントの周りの組織の形を整える為の外科的処置
(2)骨の吸収がかなり進んでしまった場合には、炎症を抑える為にインプラントを抜かなくてはならない場合もあります。
インプラント周囲炎になってしまうと、歯周病よりも治りづらいですので普段からの予防が大切です。当院では、インプラントを入れられた方には、3ヶ月に一回は、メインテナンスとしてインプラントの点検やお手入れをさせて頂いております。
インプラントの歯はどう磨けばいいの?
インプラントの歯はどう磨けばいいの?
インプラントは自分の歯のように噛めることから、乳歯・永久歯に続く「第3の歯」とも呼ばれています。
もし、失ってしまった歯の所にインプラントを入れることはできたとしてもそれで終わりではありません。
治療後のお手入れも大切になっていきます。
ほとんどの場合、インプラントを入れるところは、むし歯や歯周病などで歯が抜けてしまった場所ですから、決して状態が良い場所であったとは言えません。
このまま、今までと何も変わらないお口の中の環境では、せっかく入れたインプラントも一生使い続けられるとは限りません。
しかし、お手入れといってもインプラントを入れたあとはどんな道具を使えばいいか?どんな磨き方をしたらいいか?
面倒なのでは?と不安に思われる方もおられるかもしれません。
が、難しい技術や特別なものは一切必要ありません!!
基本的には、インプラント部分もご自身の歯を磨くようにブラッシングをすることが一番大切になります。
朝・晩ふつうの歯ブラシで歯を磨き、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシで歯と歯の間の食べかすや、歯垢を落とすのがとても有効となります。
特に、インプラントの場合磨き残しをしやすいのが人工の歯と歯肉の境目です。
普通の歯よりもくびれた形をしているので歯垢がたまりやすいのです。
そこの汚れを落とすように意識して磨くようにしてください。
ここが汚れやすい人は小さな毛束が一つになっている「ワンタフトブラシ」を使うことをおすすめします。
磨き残しが多い部分が自分ではわかりにくいこともありますので丸子歯科ではスタッフが歯磨きの仕方や磨くポイントなどを相談させていただいてます。
また、プロではないと清掃できない部分もありますので定期的に歯科でクリーニングを中心としたメインテナンスを受けることをオススメします。
インプラントセミナー参加 2
以前、GC名古屋営業所で「インプラント治療における歯科衛生士の役割」の講習会にスタッフ7名で参加しました。
みなさんインプラントとは何か知っていますか?
インプラントは、失ってしまった歯の部分に人工の歯を入れる事です。
ブリッジや義歯は隣の健全な歯を削ったり負担をかけてしまいますが、インプラントはその部分の骨に埋め込むので隣の歯に負担をかけなくてすみます。
私たち歯科衛生士はインプラントを成功へ導くためのお手伝いをさせていただいてます。
インプラント前のクリーニングや術後のメインテナンスを積極的に行い、患者さんの健康をサポートしています。
患者自身のセルフケアと共に医院での定期的メインテナンス時のプロケアが大切で、そのためにはインプラント周囲炎の原因となるインプラントと歯間の境い目にある歯垢(プラーク)をしっかりとることをしていくことが大事だと学びました。
私たち歯科衛生士は患者さんが健康で過ごしていただくための歯のサポーターとしてこれからも患者さん一人一人のあったクリーニングを心掛けていきたいと思います。